ブレインパッド、自律型AIエージェントサービスの第一弾として「アノテーションエージェントサービス」を提供
株式会社ブレインパッドは12日、日本企業のデジタル競争力の向上および本質的なDXの実現を目指して、自律型AIエージェントサービスを順次発表していくことと、その第一弾としてアノテーションエージェントサービス「BrainPad アノテーションエージェント」を発表した。BrainPad アノテーションエージェントは、2025年2月に試験提供を開始する。 ブレインパッドは、生成AIの特長を、人間から一定の情報を学習して人間の意思決定を支援するアシスタント型(支援型)と、状況や条件を考慮して自律的に複雑なタスクの遂行を可能にするエージェント型(自律型)の二通りに分けて考えており、今後はAIが自ら状況を理解し、判断し、行動(処理)できる自律型AIの需要が高まっていくと思われるとしている。 ブレインパッドでは、自律型AIによって既存のビジネスプロセスを変革することが、日本の労働力不足を解決する重要な要素のひとつになると同時に、低迷する日本のデジタル競争力の底上げにつながるものと考えており、自社開発の自律型AIエージェントサービスを立ち上げ、各業務領域に特化したAIエージェントを順次発表していくことを決定したと説明。ブレインパッドが掲げる自律型AIエージェントサービスは、AIが業務を「支援する」にとどまらず、「実質的な部下」として業務も担えるAIの在り方を目指すとしている。 その第一弾として、データに対してタグ付けを行うアノテーションという業務領域を選択したと説明。アノテーションタスクの精度を担保するのは、AIの核となるデータの品質であり、ブレインパッドのデータ・AI活用のスキルおよびノウハウを生かせる領域だとしている。 ブレインパッドのアノテーションエージェントは、外部人材に作業を依頼する従来にアノテーションサービスの対応範囲にとどまらない、業界や企業特有の知識や文脈を理解した「専門的アノテーション」を可能にする。これにより、業界知識を有する担当者が手作業で行っていたアノテーション作業や、担当者が暗黙的に実施していた業務の優先順位付けをAIが代行できるようになり、業務の効率化・業務速度の向上を図れる。 加えて、特別な知識が求められることで属人化しやすく、技能伝承が難しいという課題が解決され、一貫した判断基準に基づく大量のアノテーション処理が可能となる。これにより、企業の保有する膨大なデータを体系的に資産化できるようになる。 画像とテキストが示す文脈を総合的に解釈するマルチモーダルAIにより、より深い意味理解を実現する。インテリジェントなタグ候補の提案も行い、アノテーションの意図や目的を理解し、最適なタグを自動で提案し、業界や企業特有の業務知識を活用した意味のあるタグ付けを支援。商品の属性付与にとどまらず、対応の優先順位づけ(トリアージ)や、細かなニュアンスを反映した異常検知などのユースケースにも対応する。 また、効率的な検証プロセスとして、タグの妥当性を少ない工数で確認することが可能で、タグ付けの一貫性を自動でチェックし、作業負荷を大幅に削減する(機能の一部は開発中)。さらに、継続的な精度向上として、実験とフィードバックの繰り返しにより、アノテーション精度を着実に進化させられる。
クラウド Watch,三柳 英樹