「死ねばいいのに」遺族に脅迫メール 中3少女「人間関係に悩んでいた」池袋暴走事故
■家族を奪った受刑者からの言葉
松永さんが闘ってきたもう一つのこと。それは、事故を起こし、家族を奪った飯塚受刑者との向き合いだった。 莉子ちゃん 「ただいま」 真菜さん 「おかえりなさい」 莉子ちゃん 「おかえりなさい」 松永さん 「ありがと、ただいま」 愛する妻と娘を一度に失った松永さん。事故を起こした飯塚幸三受刑者(93)は…。 松永さん 「彼は先月26日に刑務所で亡くなりました。正直複雑な気持ちです」 禁錮5年の実刑判決を受け服役していた飯塚受刑者が、刑務所内で死亡したことが今週分かった。松永さんは服役中の飯塚受刑者と今年5月に面会し、すでに起き上がることができない状態だった飯塚受刑者と直接言葉を交わしたという。 松永さん 「『世の中の高齢者に伝えたいことは?』と伝えたところ、ほとんど言葉はしゃべれなかったですけど、その質問だけははっきり答えたんです。『世の中の高齢者の方に免許を返納するように伝えてください』と。加害者の後悔とか加害者の言葉を、ある意味託されたと思っている」
■過失か危険か 大分地裁で注目の判決
加害者と被害者、その家族、すべての人を不幸にする車の暴走事故。こうしたなか、大分地裁で28日、注目の判決が下された。 時速194キロで走行する車の再現動画では、対向車からの目線で、左奥から来た車がものすごいスピードで画面右に消えていく。 被告 「買ったばかりの外車で何キロ出るか試してみたかった。加速する感覚を楽しみたかった」 3年前、当時19歳の男が法定速度の3倍を超える時速194キロで一般道を走行。右折しようとした車と衝突し、乗っていた小柳憲さん(当時50)が死亡した。その衝撃は、被害者が装着していたシートベルトがちぎれ、車外に放り出されてしまうほどだったという。 大分地検は当初、男を過失運転致死罪で起訴した。これに対し、被害者の姉・長文恵さんは「(時速)194キロのこの事故が、うっかり過失なわけはないんです。一緒にしてもらったら本当に困ります」と語った。 遺族は、より罪の重い危険運転致死罪への変更を求め署名活動を開始。2万9000人以上の署名を集め、過失運転から危険運転に変更されて起訴された。 こうしたなか、行われた注目の裁判。争点は「過失運転」か「危険運転」か。 弁護側は「ぶつかるまでは真っすぐ走れていたので、極端な高速度でも制御困難ではない」として危険運転にはあたらないと主張。一方、検察側は「制御困難な高速度で危険運転にあたる」として懲役12年を求刑した。 裁判長 「主文、被告人を懲役8年に処する。ハンドルやブレーキの操作のわずかなミスによって事故を発生させる実質的危険性があると認められる速度と言える」 大分地裁は「危険運転の罪が成立する」と判断し、懲役8年の実刑判決を言い渡した。 裁判長 「法定速度の3倍以上もの常軌を逸した高速度で走行させ、マフラー音やエンジン音、加速の高まりを体感して楽しむために犯行におよんだ。身勝手・自己中心的な意思決定は厳しい非難に値する」 求めていた危険運転は認められた一方、検察側が懲役12年を求刑するなかで、懲役8年の判決だった。 遺族 「危険運転致死罪で認められることはとても大きなことだと思います。ただ、量刑については自分の中では『8年』と聞いた時に、その後の裁判長の話は全く耳に入らない思いがした」 (「羽鳥慎一 モーニングショー」2024年11月29日放送分より)
テレビ朝日