気温差で夏のお腹は疲れ気味。医師に聞く、調子が悪いときの腸活考。
夏は水分、運動、主食を見直す。
夏に気をつけたいのは脱水。水分不足は便秘に直結する。喉の渇きを感じる前に、こまめに水分を摂ることが大切。 「外で活動して汗をかいた後は、スポーツドリンクがおすすめです。汗で失われたナトリウムやカリウムなどの電解質を補い、糖分が腸管内の水分吸収も促します。デスクワークなど室内にいることが多い人は、水やお茶でも大丈夫。外から冷房の効いた場所に移動すると喉の渇きを感じにくいので、意識的に水分補給を行いましょう」 屋外での運動は脱水や熱中症を防ぐために日中は避け、室内での運動も取り入れよう。腸活に効くのは腹筋運動。 「便を押し出す腹筋は年を重ねるほど衰えやすく、鍛えることを推奨します。運動が得意でない人は、掃除や洗濯ものを干すときなどに意識して腕を伸ばすなど、家事の動作を大きくするだけでもいい運動に。吐く呼吸をしっかり行うことでも自律神経が整います」 食事面では小麦由来の主食は極力控え、消化にいい米を積極的に摂りたい。 「小麦などの穀物に含まれるグルテンは、消化されにくいタンパク質。腸の粘膜にはりついて腸の働きを下げてしまうこともあるのです。麺類ではそうめん、うどんは消化される時間が早いですが、油分を多く含むパスタや中華麺は消化されにくい。主食は白米や玄米などをベースにするのが理想です」
冷房で体を冷やさない。
古川さん曰く、体の冷えは間違いなく腸の機能を落とすという。暑い場所から冷房がキンキンに効いた室内に入ったときや長時間体が冷えた状態が続いたときなどに、腸が収縮して痛みが出ることも。温度を自由に調整できない環境にいるときは、上着やブランケットを使って体を冷やさない工夫を。 「特に下半身を冷やさないようにして、足首やひざをしっかり温めることで、血流が上がってむくみも改善します。長時間冷房の効いた部屋にいるときは、腰をカイロで温めるのもおすすめです。夜は入浴で体を温めましょう」 ただ、ホットフラッシュの症状が出たときは例外。体が心地よく感じる涼しさをキープするとよい。 「首や脇の下を濡れたタオルなどで冷やすとラクになります。症状が落ち着いたらホットフラッシュの汗で体が冷えないように、着替えを準備しておくと安心です」