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JALはなぜ、新型コロナ禍でも国際線を運航するのか?

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GQ JAPAN

コロナウィルスの感染拡大に伴い、多くの国際線が運休・減便を余儀なくされている。それでもなお、一部路線を運航する理由とは? 日本航空(以下、JAL)に訊いた。 【写真を見る】貨物便は堅調。気になる搭乗者対策や運休中の業務とは?

公共交通としての使命

新型コロナウィルス感染拡大に伴い、日本の航空業界は大打撃を受けている。とくに国際線は、政府(外務省)が海外渡航を控えるよう勧告を出しているうえ、国によっては入国後に隔離生活を一定期間送る必要があったり、入国制限を設けていたりするため、利用者が大幅に激減した。JALが公式発表した2020年4月度の国際線旅客利用実績は、前年比2%、つまり98%もの減少になっている。 それでもなお、本来の就航数のわずか4%ほどとはいえ、わずかな本数の国際線の定期便を運航している。いずれの路線も利用者は少ない。現在、国際線の座席利用率は約14%でしかない。航空業界の常識からすると、この数字では黒字化は難しい。全面運休しないのはなぜだろう? 「われわれ航空会社は公共交通機関としての使命を果たすことが求められています。ご帰国される人や医療関係者など、どうしても移動が必要なお客さまのご要望にお応えするべく、可能な限り運航を継続し、公共交通機関としての責務を果たします」というのがJAL広報部の答だ。 いっぽう、貨物輸送の需要はかならずしも減退していない。「新型コロナウィルス感染拡大に伴い、たとえば4月はアジア圏からのマスクや防護服など医療関連物資の輸送が急増しました。そのため、貨物室のみならず客室内にもマスクの入った段ボールを積載し、運航した便もありました」とのこと。 こうしたなかで、就航が延期されていたJALグループの中長距離国際線LCC(ロー・コスト・キャリア)のZIPAIRも、旅客便を貨物便に切り替え、成田~バンコク(スワンナプーム)線の運航を開始するという。 とはいえ、旅客機の稼働率が大幅に低下したため、多くの機体が羽田や成田空港に駐機している。しかし、ただ駐機されているだけではないという。 「この期間にも整備作業はおこなわれています」と、整備担当者は述べる。「航空機の安全性を継続的に維持するための整備作業実施のタイミングは、飛行時間や飛行回数、暦日等で管理されており、それぞれのタイミングを超えない範囲で必要な整備作業を実施しています。ですから、航空機が飛行せず、地上に長期停留しているあいだも定められた整備作業を行う必要がります。弊社では、いつでも運航に供することができるように準備しております」 また、JALグループでは社員がSNSなどを介し、「今、自分たちはなにをしているのか? そして、なにが出来るのか?」を、考え、発信しているという。 たとえば、パイロットのフライトに向けた訓練風景や、客室乗務員で結成されたチアダンスチームによる自宅でできる簡単ストレッチの紹介、整備士による子ども向け航空教室である「動画de航空教室」(飛行機など航空にまつわる授業)などが発信されているという。

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