第94回選抜高校野球 伝統の2校に春 広陵/広島商(その1) /広島
<センバツ2022> 県内の伝統校にそろって「春」の吉報が届いた。第94回選抜高校野球大会(毎日新聞社、日本高校野球連盟主催、朝日新聞社後援、阪神甲子園球場特別協力)の選考委員会が28日開かれ、広陵(安佐南区)と広島商(中区)の出場が決まった。広陵は3年ぶり25回目、広島商は20年ぶり22回目。県勢2校の同時出場は3年ぶりで、両校の組み合わせは広島商が前回出場した2002年以来。秋季中国地区大会で決勝へ勝ち進んだ戦いぶりが評価された。出場決定の知らせに選手たちは夢舞台での活躍を誓った。大会は3月4日に組み合わせ抽選会があり、18日に兵庫県西宮市の阪神甲子園球場で開幕する。 ◇広陵 喜びかみしめる 広陵の選出を伝える電話が鳴ったのは午後3時半すぎ。電話を取った國貞和彦校長は「ありがとうございます。謹んでお受けいたします」とにこやかな表情で答えた。 晴天のグラウンドに集まった1~3年の部員に國貞校長が「おめでとうございます」と出場決定を伝えると、選手たちの目は輝き、声を上げずに喜びをかみしめた。 コロナ対策で土、日曜の練習は部員が半分に分かれ、時間も短縮して行うなど、制約は依然多いまま。3年部員は後輩を支えようと、卒業が近くなってもグラウンドに出て、自主練習を手伝うなど手助けしてきた。1、2年は整列して3年と向き合い「先輩のサポートのおかげです」とお礼を述べ、3年は「絶対日本一になってほしい」とエールを送った。 甲子園のマウンドを目指すエース森山陽一朗投手(2年)は「うれしい。チームが勝つためにストレートを磨いているので注目してほしい」と話した。4番の真鍋慧(けいた)選手(1年)は「スタートラインに立った気持ち。ホームランも打って日本一を目指す」と大舞台に意欲を見せた。【根本佳奈】 ◇広島商 20年ぶりの吉報 午後3時半すぎ、出場決定の知らせが届くと、広島商の栗田正弘校長はグラウンドに向かい、練習をしていた選手を集めて伝えた。「20年ぶりの出場だ。この間に出場できなかった先輩たちの思いも刻み、甲子園で伝統の野球を思う存分に発揮してほしい」 秋に4番を担った広本真己選手(2年)は「今日からがスタートだ。目標である全国制覇に向けて、練習を積み重ねていきたい」と意気込んだ。秋の大会は点を奪われても奪い返すスタイルで勝ち上がった今年のチーム。神野智投手(同)は「野手に助けてもらい今がある。センバツでは守りが踏ん張れるように、投手陣全体でレベルアップしてきたい」と誓った。 新型コロナウイルスの感染予防のため、選手たちはマスクをつけて練習している。松浦太河選手(2年)は「甲子園に立つためにも、注意を払いながら過ごしていきたい」と気を引き締めた。 校舎本館には出場決定を祝う懸垂幕が掲げられ、学校全体がお祝いムードに。野球部員とクラスメートという鞍本莉那さん(2年)は「野球部はすごく頑張っているので、うれしい。コロナが終息していたら、甲子園に行って応援したい」と声を弾ませた。【池田一生】