プラス成長もGDPの中身は要注意 否定できない3度目の消費増税延期
萩生田発言以降、冴えない経済指標続く
こうした中、市場関係者を中心に消費増税の再々延期の観測が浮上しています。4月18日に自民党の萩生田(はぎうだ)光一幹事長代行が消費税に慎重な構えを見せて以降、市場参加者はこの話題に敏感になっています。5月13日には内閣府が景気動向指数の基調判断を6年2か月ぶりに「悪化」に下方修正し、その後発表されたGDPも冴えない内容でしたから、足もとでは延期観測に注目が高まっています。また5月22日には日銀の原田泰(ゆたか)政策委員会審議委員からも「増税が景気を後退させ、需要減が物価を引き下げる可能性がある」という発言がありました。市場関係者が増税延期を意識するのは当然でしょう。 現段階では、政権内部から増税延期に関する具体的なメッセージは出ておらず、公式には「予定通り増税」という見解が繰り返されています。ただし、過去2回の延期決定(2014年11月、2016年6月にそれぞれ表明)の経験を踏まえると、政策の方向性が急旋回する可能性は否定できません。
---------------------- ※本資料は情報提供を目的として作成されたものであり、投資勧誘を目的としたものではありません。作成時点で、第一生命経済研究所経済調査部が信ずるに足ると判断した情報に基づき作成していますが、その正確性、完全性に対する責任は負いません。見通しは予告なく変更されることがあります。また、記載された内容は、第一生命ないしはその関連会社の投資方針と常に整合的であるとは限りません。