被害女性が「職権乱用の疑い」起訴の元検事正の弁護人、調査を要望
酒に酔った部下の女性検事に性的暴行を加えたとして、準強制性交罪で元大阪地検検事正の北川健太郎被告(65)が起訴された事件で、被告の弁護人は13日、被害を訴える女性検事が「検察官の職権を乱用し、秘密を漏洩(ろうえい)した疑いがある」として検察庁に調査を要望したと明らかにした。 【写真】準強制性交罪で起訴された元大阪地検検事正の弁護士、北川健太郎被告 弁護人によると、刑事裁判の中で証拠請求される見込みの女性検事作成の陳述書が開示されたが、その陳述書には、北川被告が大阪地検次席検事を務めていた平成27年に作成した準強制わいせつ事件に関する書類が添付されていた。 書類には、この事件の被告を含む複数の関係者の実名が記されており、弁護人は「重大なプライバシー情報を含む書類で、一般国民が入手することは不可能。女性検事が職権に基づいて入手した疑いがある」と訴えている。この事件は北川被告の事件とは無関係という。 女性検事の代理人弁護士は「書類は検察庁から正式に開示を受けたもので職権を利用して入手したものではない。十分な確認もせず、あたかも職権を乱用したかのように主張されることは被害者の名誉を著しく傷つけ愚弄するものであり、憤りを感じる」としている。