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インドを拠点に人にも環境にも優しい服づくりを目指す、日本発の「カランコエ」。

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VOGUE JAPAN

日本のアパレル産業におけるサステナビリティへの取り組みは、欧州と比べると大幅に遅れていると言われているが、その理由はいったい何なのか? 18年前からインドで持続可能な循環型のものづくりを行っているルシファーリサーチは今年、東京とデリーを創作の拠点とする新ブランド「カランコエ(KALANCHOE)」を立ち上げた。環境負荷、労働環境、文化の継承を軸としたものづくりから、日本のファッション業界が目指すべき未来を見ていこう。

「カランコエ(KALANCHOE)」は、ルシファーリサーチが2020年春夏にローンチしたばかりのブランド。18年にわたり、インドで生産を行う「ヌキテパ(ne Quittez pas)のディレクター MAMIが手がけている。ブランド名は、1年を通していろいろな色の花が楽しめる多肉植物の名前から由来。シーズンごとにコンセプトカラーを展開し、2020年秋冬コレクションでは、撫子色、葡萄色、梔子色、若緑、浅黄色、練色といった日本に古くから伝わる伝統色を中心に、美しく安らぎが感じられるカラーパレットを打ち出した。 シンプルなデザインながら深みのある和のエレガンスを感じさせるのは、こだわり抜いたエシカルな素材と繊細な色使いによるもの。使用している素材は、デリーの産業地域で余った生地を収集し、リサイクルによって生まれ変わったエコファイバー素材や、バナナやアロエなど、現地で生産された果物や植物を原料とした天然素材を積極的に使用している。現在、エシカル素材として認証取得を得るために、素材開発に取り組んでいるという。

今季一押しアイテムの一つは、4色の糸を撚糸したオリジナルカラーのヤーンを立体的に編み上げたスリーブレスのニットだ。ナチュラルで淡い配色が特徴で、袖を通すと立体的かつモダンなシルエットが際立つ。 生産工程で使う水は、特殊なフィルターを通して濾過し、リサイクルしている。そうすることで、大量に発生してしまう汚染水を大幅に減らすことが可能となるのだ。 サステナブルな取り組みはエシカル素材の開発だけではない。社会活動にも力を入れ、インドの生産工場と独占契約によるパートナーシップを結び、従業員が安心して働くことが出来るように社会保障の給付や男女平等の雇用を行っている。地元のNPO団体などの協力は得ず、全て自社で実施しているというから驚きだ。設立当初はわずか3名しかいなかった工場のスタッフが、ルシファーリサーチ社との長年に渡るパートナーシップによって、現在は200人以上の従業人が働くまでに成長したという。

インドでは古くから刺繍や織りの伝統技術が盛んで、そういった職人の技術をデザインに取り入れることで需要を増やし、後世に引き継いでいくことも目的としている。 日本のアパレル産業におけるサステナブルな取り組みは、ヨーロッパなどと比較すると大きな遅れを取っていると言わざる得ない。しかし、ルシファーリサーチは長年に渡りインドとの交流を深め、信頼関係を築き、更なる進化を続けている。それは同時に、地球環境への配慮とインドで問題視されている劣悪な労働環境の改善や貧困を救うための重要な社会活動にもつながっているのだ。

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