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偉い人は「上座」に表示、議事録は自動で作成 ビデオ会議に新機能続々

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アスキー

マイクロソフト「Teams」などビデオ会議アプリに新機能が続々登場している。機能勝負の世界になりそうだ。 【もっと写真を見る】

 2週間ほど前、ネット上で日本企業がコンサルに「社内ビデオ会議で部長や役員を大きく表示してほしい」「上座に表示できませんか」という相談を持ちかけたという話題があった。    確かに日本企業のおける「会議」では偉い人が上座にいるなど、席が決まっていることが多い。その習慣をビデオ会議に持ち込みたいという、本当かフェイクかわからない話が注目されたのだった。    しかし、そんな日本企業の悩みを、あのマイクロソフトが解決しかねない「新機能」が登場した。   ●ビデオ会議でも偉い人は上座に座れる  マイクロソフトは、コラボレーションツール「Teams」において「Together Mode」という機能を載せていくと明らかにした。    これまでビデオ会議の表示形式といえば「分割ビュー」として、出席者がウェブカメラで撮影され1つのウィンドウのなかにサムネイルのように並べられるというのが一般的であった。    このTogether Modeでは、それぞれが四角い箱に表示されるのではなく、AIが被写体を切り抜き、シアターやカフェに座っているような表示が可能となるのだ。    これにより、手をあげたり、他の人をさしたり、目線を送ると言ったことがやりやすくなる。ビデオ会議に参加しても疲れることなく議論を進められるものとして期待されている。    今のところは、ログインした順番でシアターの席に座っていく形となる。マイクロソフトではできるだけ早いリリースを目指していたため、機能的には進化の途中であるとしている。おそらく今後はシートの指定も可能になるだろう。そうすれば、多くの日本企業が懸念していた「ビデオ会議でも偉い人は上座に座る」といったことも問題なく対応できるはずだ。   ●「自動文字起こし機能」が便利そうだ  筆者はすでに取材として、Together Modeを体験する機会を得たのだが、参加して可能性を感じたのはTogether Modeに加えて、新たに追加される「自動文字起こし機能」だ。    マイクロソフトでは、すでにPowerPointでリアルタイムに話している人の言葉を文字に起こしてくれる機能を備えているが、今後、同様の機能がTeamsでも提供されるようになる。    ビデオ会議で話している人の言葉がリアルタイムに字幕で表示されるだけでなく、全て話した内容が記録されており、会議が終了した際にはWord形式のファイルで保存されるという優れものだ。    これまで会議では議事録をとったり、ICレコーダーで録音して、後からテキストに起こすという作業をしていた人も多いだろうが、新しいTeamsであれば、そうした面倒なことは一切、不要となる。    あまりに便利そうなので、コロナ騒動時に議事録を残さなかったという専門家会議に是非とも新機能を教えてあげたいほどだ。      ただ、現状は英語のみで日本語対応はいつになるかは明らかにされていない。個人的にはこのTeamsの自動書き起こし機能は、今すぐにでも日本語対応してもらいたい。   ●文字起こしが自動化すれば締切を破ることもなくなる  仕事柄、様々な人にインタビューをすることが多い。相手先に訪問し、応接室などでテーブルを囲み、インタビュー相手の前にICレコーダー(最近はiPhone)を置き、声を録音。自宅に持ち帰り、最初から聞き返して、テキストに起こす作業をしている。    音声ファイルを文字起こししてくれるサービスなどにかけてみたりしたこともあるが、相手の音質がイマイチで正しく文字に起こしてくれない。インタビュー相手にマイクをつければいいのかも知れないが、なかなかそれも難しい。    結局、自分で聞きながらテキスト起こしをするのだが、実に面倒なのだ。テキストさえ起こしてしまえば、原稿はすぐに書けてしまうのだが、とにかくテキスト起こしが嫌で原稿が遅れてしまい、締切を過ぎてしまう。テキスト起こしさえなければ、締め切りを破るということからも解放されるはずなのだ。   ●エバーノート創業者もビデオ会議アプリを発表  コロナ禍によって、ビデオ会議アプリでインタビュー取材するのも珍しく無くなってきた。ビデオ会議アプリでインタビューをするのに何が便利かといえば、相手の声がマイクを通して聞こえてくるということだ。つまり、Teamsが自動テキスト起こしに対応すれば、確実に相手の声をテキストで起こしてくれる。今回の新機能でも、複数の人が話した場合、それぞれの話者に分けて、テキストを起こしてくれ、一つのWordファイルにしてくれる。これほど、インタビュー取材に適した機能強化があるだろうか。    マイクロソフトはこれまでXRやAIの開発に注力してきたが、それらの知見がTeamsの開発の後押しをしているように思う。これまで、マイクロソフトはWindowsからOffice、最近はクラウドの会社であるが、Teamsが新たなキラー商材になろうとしている。    先日、エバーノートの創業者であるフィル・リービン氏が、ビデオ会議において、まるでテレビ番組のようにプレゼンできる「mmhmm(ンーフー)」というアプリを発表した。    ビデオ会議内で仮想カメラのように動作し、仮想背景やスライド、別の動画やスマホの画面を合成できる。現在は一部にベータ版が配られており、今秋にも一般公開の予定だ。    ビデオ会議アプリは、コロナ禍によって一気に普及しただけでなく、各企業がこぞって機能を強化している。今後も各社の機能競争が加速していくことは間違いなさそうだ。     筆者紹介――石川 温(いしかわ つつむ)  スマホ/ケータイジャーナリスト。「日経TRENDY」の編集記者を経て、2003年にジャーナリストとして独立。ケータイ業界の動向を報じる記事を雑誌、ウェブなどに発表。『仕事の能率を上げる最強最速のスマホ&パソコン活用術』(朝日新聞)など、著書多数。   文● 石川温 編集● ASCII

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