角田裕毅がF1初体験時を回想して「少し怖かった」と告白!「F2マシンと比べて…」
F1での2年目に向けて本格的に始動したアルファタウリの角田裕毅。1月27日までのプライベートテストでは、チームメイトのピエール・ガスリーとともに精力的に走行を行なう予定で、ここでは2020年版マシン「AT01」を使用している。 【動画】自己最高の4位フィニッシュを飾った角田裕毅のオンボードカメラ映像 2年落ちの車を駆ってのテストは昨季同様であり、昨冬はトロロッソ時代の2019年型を駆って、少しでもF1マシンに慣れようと複数回のプライベートを実施したものであるが、彼が最初にこの最高峰レースを戦うモンスターマシンのコクピットに収まったのは、2020年11月、イモラで行なわれた合同テストの時だった。 彼がこれに参加したのは、翌年のF1レース参戦に必要なスーパーライセンスを習得するための条件を満たすためだったが、角田は当時のことを振り返り、「少し怖かった」と本音を明かしている(オランダのF1専門メディア『RN365』より)。 2018年型のトロロッソをドライビングした彼は、「最初のセッションではフルウェットではなかったものの、少し路面が濡れていたので、最初は少し怖かったです。というのも、1周目で(スピンによって)セッションを終えたくなかったからです」と告白。前述のスーパーライセンス取得のためにも、多くの走行距離を稼がなければならないことも、これには関係していただろう。 しかし、それはすぐに別の感情に変わったという。「それから3周を走った後、もう怖れはなくなっていました。ただ、F1マシンを楽しみました。F1のブレーキ性能と加速力には、本当に感動しました。F2の車と比べても、信じられないほど素晴らしいものでした。今でも、あの初日のことははっきりと覚えています」。 それから間もなく、角田はF1の世界に迎え入れられ、昨季のルーキーイヤーではシーズン前の合同テストや開幕戦バーレーン・グランプリで見る者の度肝を抜いたものの、そこから最高峰レースの洗礼を浴びる形で苦難の日々を過ごし、終盤戦でようやく適応を示してパフォーマンスを向上させ、2年目に希望を持たせて1年を終えている。 アルファタウリのフランツ・トスト代表は、新シーズンを迎える日本人ドライバーに対して、「彼はファンタスティックなドライバーだ。そして、ここから先は彼の次第である。F1ドライバーにとっては、適切な栄養摂取も重要な要素であり、規律を維持することも不可欠となる。生活の100%をF1に捧げることが求められる。我々は彼に助言することはできるが、実際に動くのは彼自身だ。それができるかどうかで、彼が本当のトップスターになれるかが分かる」と語り、期待を寄せる(『MOTORSPORT TOTAL.COM』より)。 今季のF1は2月、3月に合同テストを行ない、3月20日の開幕戦バーレーンGPで新たなシーズンがスタートするが、2020年11月にF1マシンの凄さに感動した時から、果たして角田がどれだけドライバーとしての進化を遂げているのかを、早く確かめたいものである。 構成●THE DIGEST編集部