意外と知らない「Netflix」や「Spotify」は契約者の死後、どう解約するのか? 滞った支払いは請求される?
そもそも遺族は故人のサブスクの支払い義務を相続する必要がある?
多くの人が疑問に思うのは、そもそも遺族が故人のサブスクリプションサービスの支払い義務を相続する必要があるかどうかという点でしょう。民法896条の「相続人は、相続開始の時から、被相続人の財産に属した一切の権利義務を承継する」という文言に照らし合わせれば、サブスクの未払い分も相続する人が負担する必要があると考えられます。 一方でサービス提供会社によっては、故人との契約は死亡をもって終了するとの規定を設けているところもあります。 加入者が死亡した後も支払いが継続した場合、その分の支払いまで遺族が行わなくてはいけないのかといった点は議論になりえる点です。
Netflix同様に「何も見ていない状態が継続するとアカウント停止」の仕組みが期待される
サブスクリプションサービスが大きく普及を始めてから年月が浅いこともあり、「故人が加入したままになっていたサブスクの料金支払い」に関する裁判例や判例は、少なくとも国内では充実していないのが現状です。 とはいえ今後、シニア層にもスマホが大きく普及したことを踏まえると「高齢者によるサブスクの加入」と「契約者本人の死後、遺族が相続した場合、サブスクの支払い義務も引き継ぐのか」は論点になりえるでしょう。今後、国内でも裁判例が登場するかもしれません。 もっとも「契約者の死後の対応」は、サブスク事業者の側の規約改定などが期待される点でもあります。故人など「まったく利用の痕跡がないユーザーに対して数年以上に渡って請求し続けている」といったことが起こるのでは、そもそも事業者に対する悪印象を抱くユーザーも多いでしょう。 たとえばNetflixは利用の痕跡がない状態が2年継続した場合、アカウントが自動停止する仕組みを取り入れています。ごく自然にユーザーが亡くなってしまった場合の対策及び遺族の負担減を、仕組みとして実現できているといえるでしょう。こうした仕組みが広がることも期待されます。
オトナライフ