【Q&A】「太平洋戦争」「第二次世界大戦」「日中戦争」「大東亜戦争」「15年戦争」。違いは?
日本軍が英領マレー半島と、米ハワイ・オアフ島にある真珠湾を攻撃して開戦した太平洋戦争。それぞれの奇襲は1941年12月8日(日本時間)に行われ、今年の12月8日で開戦から79年を迎えます。「太平洋戦争」は、一般に日本軍が米・英・オーストラリアなど「連合軍」と戦い1945年8月15日に日本が敗れて終戦を迎えた戦争を指します。一方、似た文脈で使われる言葉として「第二次世界大戦」「日中戦争」「大東亜戦争」「15年戦争」などがあります。それぞれ、どのように違うのでしょうか?
●第二次世界大戦
米・英などの「連合国」と、日本・ドイツ・イタリアを中心とする「枢軸(すうじく)国」が対立し、欧州からアジア太平洋地域まで巻き込んだ世界規模の戦争です。1939年9月のドイツによるポーランド侵攻から、1945年8月に日本が降伏するまでの6年間を指します。太平洋戦争は、世界史的には第二次世界大戦に含まれると考えられています。
●日中戦争
1937年7月に中国・北京(当時の北平)郊外の盧溝橋(ろこうきょう)で起きた日中両軍による衝突から始まった、日本と中国の間で起きた戦争です。41年12月に太平洋戦争が開戦してからはその中に含まれ、日本の敗戦まで続きました。
●大東亜戦争
戦時中の日本では太平洋戦争のことを「大東亜戦争」と呼んでいました。当時の東条英機内閣が閣議決定したことに由来します。日本は、欧米による植民地支配から脱却し、東アジアの民族による共存共栄を意味する「大東亜共栄圏」の建設を掲げて戦争に突入しました。戦後は主に「太平洋戦争」という表現が使われてきました。
●15年戦争
1931年9月、日本軍による中国東北部への侵略戦争(満州事変)が始まりました。それから、日中戦争、太平洋戦争を経て45年の日本敗戦まで続いた一連の戦争の総称として「15年戦争」が使われます。 戦闘地域をより具体的に示すために「アジア太平洋戦争」と呼ぶこともあります。