【平成ミニバン白書 2-1】クリエイティブムーバーシリーズ第3弾。革新的だったFF化で広大な室内空間をゲット!|初代 ホンダ ステップワゴン G 回転対座シート Vol.1
ホンダ ステップワゴン G 回転対座シート Vol.1 1990年にトヨタがエスティマを発売し、1994年にホンダがオデッセイをリリース。これにより、6名以上の多人数乗車ができる「ミニバン」が広く認知され、急速に市場シェアを拡大するようになった。 80年代に流行した「絶壁」スタイルのインパネ。オプションのコンソールボックスを装着した運転席まわりなど【写真7枚】 加えてホンダは、RVブームに乗ってクリエイティブムーバーシリーズを展開。第1弾がオデッセイ、第2弾がSUVのCR-V、そして第3弾として1996年に発売したのがミニバンのステップワゴンだった。 ステップワゴンの長所は、なんと言っても広大な室内空間。スタイルは5ナンバー枠を最大限に生かす箱型のボックスフォルム。室内の広さは外観からも容易に想像できた。 加えてFFレイアウトの恩恵も大きい。従来の1ボックス系(トヨタ・タウンエースや日産・バネットラルゴなど)は、エンジンを運転席の下に配置するキャブオーバー型で、後輪駆動が主流だった。ある意味では、それまでの1ボックス系がFF方式を採用してこなかったことも疑問だが、ステップワゴンのFF化は「革命」というほど大きなインパクトで、革新的だったのだ。 FF方式のメリットは、フロア下を貫くプロペラシャフトがなくなること。これによりフロアを低くすることができ、室内高をより稼ぐことができるというわけだ。実際、室内は屈めば大人でも立てるくらいの高さを確保。さらにエンジンが床下からなくなったことは、乗用車的な運転感覚と車内のウオークスルーという新たな価値も生み出した。 5ナンバーの枠内で最大の車室内空間を得ようというチャレンジが成功につながったステップワゴン。それは、車室内空間の広さや使い勝手の良さで、圧倒的な支持を誇るN-BOXの成功に通じていると言ってもいいのかもしれない。 取材車両は、回転対座シート仕様のG。3列目シートを左右に跳ね上げることで、広いラゲッジスペースを作り出せる人気グレード。3列目シートバックにはネットポケットも用意され、実用性を高めていた。 ダッシュ周りとインパネ周りは、80年代に流行した絶壁のようなセンターコンソールを採用。取材車ではオプションのコンソールボックスを装着しているため、1列目から後ろへのウオークスルーはできなくなっているが、運転席まわりの使い勝手は向上している。 また、サイドのロアスカートやフロント、リアのスポイラーなどで構成される純正オプション「タウンステップ」シリーズでまとめ上げられた希少な個体だ。 ホンダ ステップワゴン G 回転対座シート(RF1) 全長×全幅×全高(mm) 4605×1695×1830 ホイールベース(mm) 2800 トレッド前/後(mm) 1485/1480 車両重量(kg) 1470 エンジン型式 B20B型 エンジン種類 直列4気筒DOHC 総排気量(cc) 1972 ボア×ストローク(mm) 84.0×89.0 圧縮比 9.2:1 最高出力(ps/rpm) 125/5500 最大トルク(kg-m/rpm) 18.5/4200 変速比 1速2.722/2速1.516/3速0.975/ 4速0.673/後退1.954 最終減速比 4.357 ステアリング ラック&ピニオン サスペンション前/後 ストラット/ウイッシュボーン ブレーキ前/後 ベンチレーテッドディスク/ディスク タイヤ 195/65R15(前後とも) 発売当時価格 185.8万円 次回「初代 ホンダ ステップワゴン G 回転対座シート Vol.2」へ続く
Nosweb 編集部
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