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スパコン世界一の「富岳」が新型コロナ研究で早くも威力 治療薬開発などでの成果に期待

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サイエンスポータル

 理化学研究所(理研)と富士通が共同で開発・整備を続けているスーパーコンピューター(スパコン)「富岳」が、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の治療薬開発や感染予防などの研究で早くも威力を発揮している。いずれも理研が神戸大学や京都大学などと連携する共同研究で、研究者らの意識やモチベ―ションは高い。富岳は今月22日には計算速度の世界ランキングで1位になった。新型コロナを克服するためにも、世界に誇る日本のスパコンの成果、活躍が期待されている。

コロナ禍克服に求められているスパコンの威力

 COVID-19は世界規模での感染拡大が止まらない。米ジョンズ・ホプキンズ大学の集計では、世界の感染者は25日に940万人を、死者も48万人をそれぞれ超えている。世界保健機関(WHO)のテドロス事務局長は19日に「パンデミック(世界的大流行)が加速している。世界は危険な新局面に入った」と警戒を呼び掛けた。パンデミック終息のめどはまったく立っていない。

 こうした厳しい状況が続くうえ、新型コロナウイルスについては依然未解明なことが多い。世界中でワクチンや決定的な治療薬の開発競争が進んでいる中、多様な研究を支えるデータサイエンスやさまざまなシミュレーションに威力を発揮する高い計算能力を誇るスパコンが注目されてきた。

 東京都を中心に国内の感染者数が日々増加して緊張が高まっていた4月7日。文部科学省と理研の計算科学研究センターは、富岳をCOVID-19の研究をけん引するために試験利用すると発表した。治療薬の発見や感染予防に関するシミュレーションなどに生かすと宣言したのだ。

 富岳は昨年8月に運用が終了したスパコン「京(けい)」の後継機で、理研と富士通が開発、整備中だ。開発費は京とほぼ同じ、1100億円の見込みだ。計算速度は最終的に京の約100倍を目指している。2021年度に本格利用を始める予定で、現在は完成時の能力には至っていないが、さまざまな研究に十分貢献できると判断された。