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磐城平城本丸御殿跡遺構発見か 「幕末の貴重な史料」 専門家注目

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福島民報

 「国史跡に値する発見。埋蔵文化財としても貴重な遺構で保存すべきだ」。いわき市の磐城平城本丸跡地で本丸御殿跡とみられる遺構が見つかったのを受け、専門家から保存の検討を求める声が上がった。「幕末の貴重な史料」として注目が集まっている。  発掘調査は、市が整備する公園の一角に新設する体験学習施設の建設予定地で行われている。国史跡の指定を受ける場合、継続的に調査を進め、全体像を把握することが必要とされる。  城郭考古学が専門の千田嘉博奈良大教授(57)によると、現場の記録を作成し、遺構の上に盛り土をして建物を設置する方法は選択肢の一つになるとみられる。ただ遺構を埋めて全体像が直接的に把握できなくなれば、国史跡の指定を受けるための手続きが難しくなるという。  県内では会津若松城、二本松城、小峰城(白河市)、棚倉城が国史跡に指定されている。基礎構造が良好な状態で出土したのは県内初。遺構を生かした建物への計画変更や、建設場所を影響の少ない位置へ移すことも検討可能だとしている。

 小峰城跡の修復などに携わる北野博司東北芸術工科大教授(61)は発掘現場を訪れた。遺構の保存状態の良さを高く評価する。やぐら建築が土台ごと失われてしまっている平城跡において「最も重要かつシンボルとなる遺構」と意義を強調した。  北野教授によると、仙台市の仙台城は本丸の石垣改修工事や大広間跡の発掘調査成果などを通して歴史的価値が高まり、二〇〇三(平成十五)年八月、国史跡に指定された。本丸の大広間跡の発掘調査で確認された礎石跡の位置に新たな礎石を配置し、当時の建物規模や部屋割りを表現した。専門家の間ではこうした先進事例を踏まえ、遺構の活用の仕方によっては観光振興に結び付けられるとの考えも出ている。  史跡保護や活用の在り方を探る日本考古学協会埋蔵文化財保護対策委員会で北海道・東北地区連絡会幹事を務める菊地芳朗福島大教授(54)は「遺物も出ており、非常に重要な跡地だ。市の方針が決まれば、協会としても何らかの動きを取るだろう」と動向を注視する考えを示した。

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