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パンデミックの影響で「CO2排出量が17%減」という結果は、気候変動対策で人類が進むべき道も示している

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WIRED.jp

人類が着実にやり続けることが何かあるとすれば、それはますます多くの二酸化炭素(CO2)を大気中に吐き出すことだろう。世界の国々は2016年にパリ協定に署名し、各国が排出量の削減目標を定めた。例えばインドは30年までに3分の1削減すると誓ったが、その後ですら世界の排出量は毎年数パーセントずつ増え続けている。 新型コロナウイルスの影響で、温室効果ガスの排出量が世界的に激減している ところが、そこに新型コロナウイルスが現れ、経済活動が止めて人々を家に閉じ込めた。そしてついにパリ協定の“夢”と、それ以上のものまで実現したのである。 このほど『Nature Climate Change』に発表された論文で、4月初旬までの1日当たりのCO2排出量が2019年の平均値と比べて最大17パーセント減になったことが明らかになった。米国と英国をはじめとするいくつかの地域では、主にクルマを運転する人が減ったことによって排出量が3分の1減少している。さらに今後、外出規制がが多少ゆるんだとしても、今年の世界における総排出量は7パーセント減になる可能性があると、研究者たちは算出している。これは08年の経済危機後に記録した3パーセント少の2倍以上に相当する。

人工衛星からのデータだけではわからない

こうした数字をはじき出すには、多くのデータを調べる必要があった。なぜなら、人工衛星の狙いを定めたとしても、リアルタイムのCO2排出量を知ることはできないからだ。 「なぜなら、CO2は大気中に長時間とどまるからです。排出量に大きな変化が起きましたが、その変化は大気中のCO2貯蔵量にあまり大きな影響を与えませんでした」と、イーストアングリア大学の気候科学者で、今回の論文の筆頭著者であるコリーヌ・ルケレは言う。「数十年にわたってわたしたちが大気中に排出してきたものと比べれば、わずかなものです」 さらに、樹木がCO2を吸い込んで酸素を吐き出すといった地球の自然のプロセスによっても、影響を受ける。人工衛星では地上から1マイル(約1.6km)の大気中にあるものは測定できても、地表の気体量までは測定できないからだ。 「わたしたちが測定しているのは、CO2の全カラム量です」と北アリゾナ大学の気候科学者、ケヴィン・ガーニーは言う[編註:カラム量は気体の総量を示す数値。単位面積当たりの地上から大気上端までの柱(カラム)の中にある気体分子の数で表す]。ガーニーは排出量のモデルを作成しているが、今回の新たな研究にはかかわっていない。「地表における変動ではありません。これは大気中に存在する分子数の大きな断面にすぎないのです」

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