「好きに使ってください。自分に連絡はいらないんで」コロナで混乱の教育現場、人気YouTuberがとっさに取った行動とは
新型コロナウイルスの影響で、全国の学校が長期休校を余儀なくされた。対面授業が当たり前だった教育現場は一変し、オンライン環境の整備が迫られた。 【授業動画】めっちゃ分かりやすい…YouTubeで「学校の授業」が学べる教育チャンネル そんな最中、2012年からYouTube上で授業をする葉一(はいち)さんのもとには、子どもたちや家庭、先生からのSOSが殺到するようになったという。 チャンネル登録者数120万人を超える人気YouTubeチャンネル「とある男が授業をしてみた」の葉一さんに、当時の状況を聞いた。【BuzzFeed Japan / 吉田雄弥】
動けない子どもたち
ーー2020年3月に全国の学校が一斉に休校になりました。その時期、葉一さんにどんな問い合わせがきましたか。 子どもたちと親御さんから、「どうしたらいいですか」「何をしたらいいですか」という問い合わせが集中しました。 当時の多くの子どもたちは、学校から課題は出ていたんです。めちゃめちゃ分厚い束になったプリント問題を渡されたりとか。 ただ、あまりに生活が一変したので、戸惑いから動けなくなってしまっている子が多かったんですよね。 ーー大人でさえ、どうしたらいいか分からなかったくらいですもんね……。 やらなきゃいけないのことはわかってるけど、なんかやる気が出ないみたいな。だから、自分はすぐに(YouTubeで)生放送をするようにしました。「午前中に1時間、俺と一緒に勉強しようぜ」って。 子どもたちの生活リズムがなるべく狂わないようにしたくて。ただでさえストレスがかかっている状況で、生活リズムまで狂ってしまうと、気を病んでしまうかもしれない。 だから、ちゃんと勉強する時間を入れられるように意識しました。
好きに使ってください
ーー2月末には、学校や塾に向けてご自身の授業動画や問題のプリントアウトサービスを事前確認なしで無料で使えるようにされました。(※商用利用は不可) 先生からの問い合わせが本当に増えたんです。「授業動画ってどうやって撮ればいいですか」「どんな機材を買えばいいですか」「授業動画を使っていいですか」と。 最初はできる限り個別で返していたんですけど、あまりに増えすぎたので撮り方とかの技術的な相談は、動画でまとめてお答えするようにしました。 それで、授業動画の利用については、「好きに使ってください。自分に連絡はいらないんで」ってフリーで使ってもらえるようにしたんです。 突然休校になっていろんなことをやらなきゃいけない状況で、わざわざ自分に確認のメールを送る。それから返事がくるのを待つというワンクッションが、先生にお手間をかけてしまうんじゃないかと。 些細なことではあるんですが、お役に立てればという思いでした。