アジアで無双…世界の強豪相手にも通用する? 「危なげない展開」に見えた手応えと課題【前園真聖コラム】
3バックが世界の強豪に対してどこまで通用するか
日本代表は過去にないほど順調な滑り出しを見せた。2026年北中米ワールドカップ(W杯)アジア最終(3次)予選、9月5日の中国戦ではホームで7-0というゴールラッシュを見せ、そのままアウェーの地に乗り込むとバーレーンを5-0と圧倒した。2戦2勝したのはグループ内で日本だけ。12得点0失点はこの3次予選すべてのグループ内で突出している。非常に上手くいったこの2戦で良かった点は何か。元日本代表MF前園真聖氏に話を訊いた。(取材・構成=森雅史) 【実際の映像】小野伸二が驚愕「何だ、今の」…久保建英の“異次元スルーパス” ◇ ◇ ◇ 9月の北中米W杯アジア最終予選、中国戦とバーレーン戦はほぼ完璧な内容だったと思います。 2018年ロシア大会、2022年カタール大会と両方のアジア最終予選初戦を落としていることを考えると、簡単な試合ではないことが明白です。ですが、そんなことを感じさせないくらい、危ないところのない展開でした。 特に、中東の地で中東の国に勝つのが難しいのは今年のアジアカップを見ていてもよく分かりましたし、まして5点差を付けたのは、2011年1月17日のアジアカップでサウジアラビアに5-0で勝って以来。しかもそのサウジアラビア戦も中立地の開催ですから、今回のバーレーン戦の圧勝がどれだけ難しいことを成し遂げたのかというのはデータでも明白です。 3バックも効果的でした。第2期森保ジャパンになって以来じっくりと熟成させてきたので、スタートから3バックでも違和感がありませんでした。準備をしっかりしていたし、選手たちもどういう戦いをしたいのか理解できていたので非常にスムーズだったと思います。チーム全体に浸透しているというのは、誰が出てもクオリティーが落ちなかったことで証明されました。 この3バックは堂安律、伊東純也、三笘薫などの両ウイングバックが高い位置を取れるのでより相手を押し込むことができます。そのため主導権を握って相手を押し込むことができましたし、ポゼッションにも有利に働きました。もっとも、この3バックはアジアのチーム相手なら十分戦えると思いますが、世界の強豪に対してどこまで通用するかは、今後試してみなければならないでしょう。