『アンジェリカアスター』インタビュー。天使VS神獣と、設定はオーソドックス。コマンドバトルRPGに隠された“家庭用ゲームを遊び尽くした人ほどニヤリとする”仕掛けの数々
DMM GAMESによる基本プレイ無料のターン制コマンドバトルRPG『ANGELICA ASTER』(アンジェリカアスター)が2024年12月4日に正式リリースされた。プラットフォームはスマートフォン(Android・iOS)とPC(Windows)で、スマートフォン版は後日リリース予定(事前登録受付中)。 【記事の画像(32枚)を見る】 プレイヤーは天使の翼を手に入れた少女を育成、チームを編成し、世界の破滅を目論む古代遺産戦艦"神獣"に立ち向かう。本稿では、ゲームの概要とオンラインで行った開発者インタビューの模様をお届けする。 独自のシステム“ジョブコマンド”が光るターン制コマンドバトルRPG 『アンジェリカアスター』はブラウザゲームでありながら、なめらかで美しい3Dグラフィックが魅力の一作。スマートフォン版もリリースされるため、自分のプレイ環境に合わせてプラットフォームを選べるのもうれしい点だ。 最大の特徴はジョブごとにバトルシステムが大きく異なる“ジョブコマンド”と呼ばれる要素。たとえば、ファイターはターンごとに獲得するエネルギーを消費して攻撃を強化できたり、パンツァーは戦闘前に“装甲”を付け換えて能力を逐一カスタマイズできたりと、それぞれまったく異なる操作感・プレイスタイルとなっている。この手のコマンドバトルRPGを遊び尽くしているユーザーほど、この斬新なシステムに魅了されることだろう。 かわいい、かっこいい、セクシー。十人十色の天使をとことん育成 仲間キャラクターである“天使”の育成では、レベルやスキル、装備など多数の要素を自分好みにカスタマイズできる。天使のデザインにもこだわっていて、かわいい、カッコいい、セクシーなど、さまざまなタイプの少女が登場する。 スレイヤー ザクロ シェル 天使と神獣が織りなす重厚なストーリー 本作にはメインストーリーに加え、天使と神獣、それぞれのキャラクターストーリーがある。内容はいずれも重厚で奥深く、なぜ天使や神獣になったのかというバックボーンが克明に記されている。細部まで作り込まれた設定や物語が好きな人ほどハマるはず。 天使と戯れる喫茶“鳩” 喫茶“鳩”という箱庭のような要素もある。ここではゆっくりとくつろぐ天使たちと交流したり、多彩なミニゲームで遊んだり、喫茶内を模様換えしたりと、戦闘や育成以外の遊びをたっぷりと楽しめる。 『アンジェリカアスター』制作秘話 開発チームのプロデューサー兼ディレクターである武者小路姫奈氏へのインタビューはオンラインで行った。体に厚みがない体質のようなので、その方が都合がいいのだろう。それでは、どうぞ。 武者小路姫奈 氏(むしゃのこうじ ぴいな): 『アンジェリカアスター』プロデューサー兼ディレクター。ゲーム開発者である父と母の影響を受けてゲーム業界へ就職。いまはまだ半人前で修行中。優秀な開発メンバーに助けられている。いつか母の作ったゲームを超える作品を出すのが夢。父の作ったゲームはもう超えた。 ※プロフィール文は本人提供。 (文中は武者小路) 競合タイトルとの差別化やユーザーに新鮮さを与えることを第一に考えたゲームデザイン ――武者小路姫奈さん、本日はよろしくお願いします。: 武者小路: よろしくお願いします! ――さっそくなのですが、『アンジェリカアスター』のコンセプトを教えてください。 武者小路: ……。(無言) ――どうしました? 武者小路: ……うう。 ――?? 武者小路: すみません! コンセプトを書いた手もとの紙が、手汗でぐちゃぐちゃになって読めなくなっちゃって……本当にすみません! ――わかりました。ではつぎの質問へ。独自のバトルシステムから他作品との差別化を感じました。キャラクターを人間ではなく天使にしたのも、少し捻りがあるような。この辺は意図したものなのでしょうか。 武者小路: ああ、それです、まさにそれが紙に書いてあったことです。ありがとうございます! ほかのコマンドバトルRPGと差別化するために天使さんをメインテーマにしたり、戦闘を空中で行ったり、独自のコマンドを用意したりしました。 ――たしかにコマンドバトルRPGはライバルが多いですものね。 武者小路: そうなんですよ! どのゲームもおもしろいうえに、クオリティも高いので真正面から同じ内容で戦うのではなく、別の角度から攻めることで勝機を見いだそうと想いました。 ――なるほど。ターン制コマンドバトルRPGというコンセプトをもとに、差別化を意識した結果生まれたのが、『アンジェリカアスター』であると。 武者小路: そうです! 他社様のゲームとの差別化が大きなポイントになっていると思います。 ――『アンジェリカアスター』というタイトルはどうやって決まったのでしょうか? 武者小路: 天使さんがたくさん登場するので“アンジェリカ”をチョイスしましたゆ。 ――ゆ? 武者小路: たまに出ちゃうんです、あまり気にしないでくださいね。 ――わかりました。天使と言えば“エンジェル”のイメージが強いですが。 武者小路: エンジェルだとふつう過ぎて覚えてもらえないと思いまして。 ――たしかに。アスターは何か意味が? 武者小路: “アスター”は本編のストーリーと深く関わっていて、物語を進めることでその意味がわかるようになっています。あとアンジェリカやアスターという言葉の響きが好きなのも選んだ理由のひとつだったりします。 ――響きですか。 武者小路: じつは私の父は映画が好きで、そのなかでもとくに『レオン』(※1)が大好きなのですゆ。小さいころから、家族でその映画を見る機会が多くて、いつしか私も好きになりましたゆ。ゲームクリエイターになった際、いつか自分の作品のタイトルに『レオン』のようなキャラクターっぽい名前をつけたいと思っていてゆ。 (※1)1995年に日本公開された、ジャン・レノ主演のフランス映画。 ――もう“ゆ”を隠す気がねえじゃねえか。そんな裏話があったのですね。天使をテーマにした本作ですが、世界観についても教えてください。: 武者小路: えーっと……(ガサゴソと何かを捜す音)。 ――武者小路さん? 武者小路: あった! え~本作は第一次産業革命(蒸気機関の時代)真っ只中の“ユーファリア”という架空世界が舞台です。その世界では“オーパーツ”と呼ばれるアイテムがまれに発掘されており、そのアイテムには魔法など超常現象の能力が封じ込められていて、手にした者は誰でもその力を行使することができます。 ユーファリアではオーパーツを求めて、人や国が争うことも珍しくありません。そんな世界の上空に突如、ワームホールが出現し、そこから“神獣”と呼ばれる巨大な飛行船型の敵が召喚されます。人々はそれに対抗しようとするのですが、文明が文明なので太刀打ちできずにいました。 ――なるほど。: 武者小路: そんなとき、ひょんなことから人間に翼を生やして天使化する実験に成功します。その天使とともに力を合わせて神獣に立ち向かおうというのが、本作の世界観であり、ストーリーになります!!! ――カンペ用紙は無事だったようで、何よりです。 武者小路: よし!(ニコニコしながらカンペを仕舞う) ――天使化する実験が気になるのですが。 武者小路: この作品に登場する天使さんは皆、もと人間なんですよ。それで “グレゴールの林檎”という不思議な果実を食べて天使さんになります。 ――林檎を食べてパワーアップですか、何だかメルヘンですね。 武者小路: たしかにそこだけ聞くとメルヘンですよね……。 ――何か裏があると? 武者小路: (コクリ、とうなずく)。食べたら気絶します。 ――気絶? 武者小路: はい、気絶します。 ――美味しすぎて、みたいな。 武者小路: (首をブンブン、と横に振る)。そのですね……成功すれば天使さんとして目覚めるのですが、失敗した場合は目覚めることなく、灰になりますゆ。 ――灰!? 武者小路: はい(ドヤ顔)。 ――死んじゃうってことですよね? 武者小路: はい(ドヤ顔)。 ――……。 武者小路: 灰になります、はい!(ドヤ顔)。 ――素敵な……ダジャレですね。 武者小路: ありがとうございます! グレゴールの林檎を食すシーン ――それにしてもメチャクチャハードな設定ですね。: 武者小路: ですかね? なぜキャラクターたちが天使化実験に参加したのか、命を賭けてグレゴールの林檎を食べるのか、という部分についてはキャラクターごとに用意された個別ストーリーで明らかになりますゆ。 ――メインストーリーがありつつも、それとは別に個々のキャラクターストーリーが用意されていると。 武者小路: はい。またキャラクターたちのストーリーは一見すると独立しているように見えますが、この子とあの子が意外な関係だったり、キャラクターどうしでのやり取り(絡み)があったりと、たくさん読めば読むほど『 アンジェリカアスター』の世界を深く知ることができる、そんな設計になっていますのでぜひいろいろなキャラクターを集めてストーリーを読んでいただきたいです! ――なるほど。キャラクターを収集する要素にもつながっていると。ストーリーといえば、本作は本を読み進めるかのような演出が印象的でした。どういった理由でこのような演出を導入したのでしょうか? 武者小路: 私たちのチームがひとつ前に制作したDMM GAMESのタイトルがあるんですけど、そのときからこの演出を採用していました。 ――あの演出いいですよね。すごく好きです。 武者小路: ありがとうございます! 多くのソーシャルゲームのストーリーは、キャラクターの立ち絵とテキストを表示するという方法が一般的じゃないですか。でもユーザーの皆様にとっては見慣れている光景なので驚きがないかなって。 ――ユーザーを楽しませるために本を読み進める演出を盛り込んだと。思いついたきっかけは何だったのでしょうか?: 武者小路: 仕事でクッタクタに疲れて始発で帰るときに、近くにいた人がライトノベルを読んでいて、それを見て閃きました。絵本のように見せれば飽きないじゃん! って。 ――すごく疲れていたからこそのひらめきと。 武者小路: 平常時だときっとスルーしていましたね。閃いたら安心して寝ちゃって終点の高尾まで行っちゃいました。 ――始発でよかったですね。終電間際だったら絶望ですよ。 武者小路: あまりのショックにそのまま高尾山に登ってやりましたよ! そのとき、キラキラした服着ていたので、登山者のおじいちゃんに宇宙人と間違われました! ――ホントですか? 武者小路: …………(白目になる)。 ――……。ストーリーと言えば、敵である神獣側の話も充実していますよね。 武者小路: 天使さんはおもにガチャで仲間になるため、すべてのユーザーが天使さんのストーリーを楽しめるわけではないんですよね。だから誰でも個別ストーリーが楽しめるようにするために、メインストーリーで敵対する神獣さんにも天使さんと同じようにストーリーを設けましたゆ。 ――無課金でも楽しめるのはありがたいですね。ちなみに本作の課金は軽め・重め、どちらなのでしょうか? 武者小路: (おもむろに空を見上げる)。 ――もしかして私の言葉が途切れて聞こえませんでしたか? えっと、本作の課金について伺いたくて。 武者小路: (空を見上げたまま固まる)。 ――武者小路さん? 本作の課金なのですが……。 武者小路: あ……あ……アババババババババババババババ(泡を吹いて倒れる)。 スタッフ キャー! 武者小路さんが倒れた! はやく柴犬の写真を! (実家の柴犬の写真を見て復活する武者小路氏) 柴犬のイメージ ――つぎの質問に移りたいと思います。天使のキャラクターデザインへのこだわりをお聞かせください。: 武者小路: (顔をニコニコさせながら)。じつはですね……。 ――切り替えが早いですね。 武者小路: 天使さんの立ち絵には必ずドッグタグが描かれています。あの兵隊さんがぶらさげているやつです! なぜかというと、天使さんたちは国が運営する対神獣殲滅組織に所属していて、そこで支給されるドッグタグを身につけています。キャラクターをゲットしたら、ぜひともドッグタグを探してみて欲しいですゆ。 ――キャラクターごとにドッグタグをつけている部分が大きく変わると。 武者小路: そうです! 真面目なキャラクターは首からぶらさげていたり、お調子者のキャラは太ももに巻いていたりと、それぞれの個性が感じられる箇所にドッグタグがあります。あと天使さんのかわいさ、カッコよさ、美しさを際立たせるために天使さんの等身をあえて高めに統一しています。 ベイビー。彼女は首からドッグタグをぶらさげている。 ブラッドベリー。彼女は手首にドッグタグをつけている。 ――かなり細かい部分までこだわっていると。神獣のデザインはどうでしょうか? 武者小路: 神獣さんは獣と戦艦が合体しているようなデザインが多いのが特徴です。神獣さんはひと目でユーザーの記憶に残るようにしたかったので、デザイナーさんに「インパクト強めな見た目で!」とお願いしたら、あの独特なデザインがあがってきました。とても優秀なデザイナーさんです。 ――ちなみに天使はどれぐらい登場するのでしょうか? 武者小路: リリース時は30ぐらい登場します。もちろん天使さんと神獣さんはアップデートごとに新たなキャラクターを追加しますので、期待してくださいゆ。 ブラウザの限界に挑戦した3Dグラフィックと作り込まれたシステム ――本作の映像をハイグラフィックな3Dにした理由を教えてください。 武者小路: DMM GAMESのタイトルにはこういった3D作品があまりないように思いまして。だからせっかくやるならハイクオリティな3Dに挑戦してみようということになりました。 ――ブラウザで3D、しかもハイクオリティな映像というのは作るのにかなり苦労が多かったのでは? 武者小路: ちょっと……待ってください(ガサゴソと何かを捜す音)。 ――もう慣れましたので、ごゆっくりどうぞ。 武者小路: えっとですねぇ……。本作は“Unity”で開発しているのですが、近年Unity の“WebGL”(ブラウザ向けの開発機能)のサポートによって、ブラウザ版の3Dアプリの開発ハードルがかなり下がりました。しかし、特有のさまざまな制約があり、ブラウザ版でのみ発生する問題も多かったです。なかでもシェーダー準備(3Dオブジェクトを画面に映し出すための作業)の効率が悪く、バトル開始時に数十秒という時間を要していました。シェーダー準備の問題に関しては独自にコードを書いて高速化しました。 ――ブラウザの開発環境が進化しつつも、特有の問題はあったのですね。 武者小路: とくに出撃シーンなんかはすっっっごく、苦労しました。 ――と言いますと? 武者小路: 本作ではステージを選択→出撃メンバーを編成・選択→バトル開始という流れになるんですが、出撃メンバーの編成画面からバトル開始までをシームレスにしていて。 ――ロード画面がないということでしょうか?: 武者小路: はい。ロード中は画面がブラックアウトしてNow Loadingみたいな表示が出るだけのタイトルが一般的だと思いますが、それってユーザーにとっても、私たちにとっても見ていてかなりストレスになる部分だったので、がんばってロードを感じさせない演出にしてみました! ――ロード画面ってどうしても退屈ですからね。メチャクチャありがたいです。プレイしていて個人的に家庭用ゲームっぽさを感じたのですが、それは気のせいなのでしょうか? 武者小路: 開発メンバーには家庭用ゲーム出身の者や、家庭用ゲームが大好きな者が多いのです。だから戦闘中のユーザーインターフェイスやダメージ値の表示のさせかたなど、家庭用ゲーム作品のような華やかさを意識して作りました。 ――やっぱりそうでしたか。カメラワークもカッコよかったです。: 武者小路: (筆者の目を見ながら)そこに気づくとは、さすが私が見込んだお人じゃ。 ――急に老け込まないでください。空中戦だからこそ、あそこまで動かせるのでしょうか? 武者小路: そうです! 通常のゲームは地上で戦闘を行うため、カメラワークに制限(地中にカメラが潜り込むなど)があるんですが、本作は空中で戦っているので自由にカメラをグワングワン動かせます。ユーザーの皆様が酔わないようにしつつも、カメラをガンガン動かして映えを意識したカメラワークにしました。 ――こだわりが詰まっていますね。ブラウザ独自のこだわりもあるのでしょうか? 武者小路: ありますよ。その名も“ブラウザ連動”システムです! ――かっこいい名前ですね。 武者小路: エンジニアが命名しました。私はブラウザラブラブシステム(略してウザラブ)が良かったのですが。 ――なるほど。どのような機能なのでしょうか? 武者小路: ゲーム画面の周囲にブラウザ用の枠があるんですが、そこにゲームと連動させた演出を盛り込むんです。 ――ブラウザであること逆手に取った演出ということですか? 武者小路: そうです! ガチャで高レアリティのキャラクターを手に入れると、枠が金色や虹色に変化したり、音符のエフェクトが表示されたりしますゆ。 ――そんなこともできるのですね。 武者小路: バトルのときはもっとかっこいいですよ! ボスが必殺技を使うと枠の部分にも攻撃演出が表示されて、まるで飛び出すような迫力のあるエフェクトが見られます。これらの演出はブラウザ版限定のものなので、スマホメインでプレイされる方も、ぜひ一度ブラウザで見ていただけると嬉しいです。 ――戦闘中にも反映されるのはアツイですね。 武者小路: あと“インタラクティブミュージック”もあります。 ――曲調がシームレスに変化するやつですよね。 武者小路: そうです。戦闘中は敵のHPが減るにつれて盛り上がるような曲調へと変化していきます。シナリオの場合は見どころになると自然と盛り上がる曲調に変化し、見どころが終わると落ち着いた曲調に戻るといった作りになっていて、感情移入して読むことができます。なので、イヤホンやヘッドフォンで聴くとより臨場感ある演出が楽しめます。 ジョブごとにシステムがガラリと変わるジョブコマンド ――ジョブコマンドの特徴を教えてください。 武者小路: ときよ止まれ!(ガサゴソと何かを捜す音) ――画面で見ればいいと思うのですが、印刷する派なんですね。 武者小路: ときは動き出す! ――はい、どうぞ。 武者小路: えーっと……。本作のバトルはスキルボタンを押して相手を選んで攻撃、といった感じのシンプルでわかりやすいターン制のコマンドバトルになっています。そこに“ジョブコマンド”というジョブごとにまったく異なるシステムをエッセンスとして実装しました。 例えばファイターであれば自身のターンが来るたびに“ブースト球”というエネルギーが蓄積されます。その球は最大5個まで蓄積され、攻撃時に任意の数を消費して攻撃を強化できるのです。またスナイパーの場合は攻撃時に効果の異なる弾丸を切り換えて戦う仕組みになっています。 ――ジョブごとにシステムがガラリと変わると。 武者小路: そうです! ほかにもギャンブラーってジョブはスキルを選ぶボタンそのものがなくて、スロットを回してくり出すスキルを決めるんですよ。 ――おもしろそうですね。 武者小路: ギャンブル好きな人が楽しめるジョブになったらいいなと思って作りました。あとブラスターというジョブは、スキルを選ぶとシミュレーションゲームのようなマス目状の画面が表示されて攻撃する座標を選べるようになっています。そんな感じでジョブごとにユーザーインターフェイスや戦いかたがガラリと変わるのが大きな特徴です。 ブラスターのスキル画面 ――なぜそのようなシステムを採用したのでしょうか? 武者小路: ユーザーの皆様に新鮮さを感じて欲しかったからです。それとこういったシステムはコマンドバトルではなかなか見られないじゃないですか。それも実装した理由のひとつです。 ――おもしろい反面、複雑化しているのでは? とも思うのですが。 武者小路: ふふふ、安心してください。ジョブコマンドにはヘルプボタンがついていて、それぞれのコマンドの特徴や使いかたがすぐにわかるようになっています! そもそもジョブごとにコマンドの内容は大きく変わりますが、内容そのものは複雑ではないのですぐに馴染めると思いますゆ。 ――なら安心ですね。: 武者小路: それとジョブコマンドの特徴として、キャラクターのレアリティや覚醒段階(育成要素のひとつ)によって、コマンドが拡張していく仕組みもあります。レアリティや覚醒段階が高いキャラクターはジョブコマンドをフルに使えますが、低い場合はジョブコマンドを一部しか使えません。 ――なるほど。ちなみに本作は編成の自由度は高いのでしょうか? 武者小路: もちろんです! 比較的自由に遊べる難度に設定していますので「攻撃役を全員ファイターにする」といった趣味全開のプレイスタイルでも全然楽しめます。でもターン制バトルなので回復役や補助役は編成に入れないともしかしたら大変かもしれないですゆ。 ――お気に入りの天使で戦いたいのでその難度調整は助かります。育成要素も気になります。 武者小路: キャラクターの育成要素はいっぱいあります。レベル、スキル、覚醒、好感度、衣装、凸システムなど、いろいろと強化できるようにしています。好感度はDMM GAMESではよくあるシステムで、プレゼントを贈ることで好感度が上がり、それに応じてパラメータも上昇します。いっぱい贈り物をしてお気に入りの子を強くしちゃいましょう! ――キャラクター以外にも育成要素はあるのでしょうか? 武者小路: 世界観のところで触れたオーパーツは装備することができて、こちらにもレベルやスキルなどの育成要素があります。 キャラクターに装備できるアイテム・オーパーツ。 ――育成が好きな人にとってはありがたいボリュームですね。本作には喫茶“鳩”というものもありますよね? 武者小路: 喫茶“鳩”はキャラクターたちがくつろぐ、いわゆる箱庭です。施設を強化すると、アイテムが生成できたり、キャラクターの能力を底上げできたり、ミニゲームが遊べるようになったりします。あと家具を配置して施設内を自分好みにコーディネートできちゃいます! ――ミニゲームもあるのですね。: 武者小路: がんばってたくさん作りました! リリース時はメダル落とし、釣り、パズル、落ちモノパズル、リズムゲーム、ブロック崩しの6種類が遊べます。リリース後も余裕があれば増やしていきたいなと。 ――こういったミニゲームがあるのって珍しい気がします。 武者小路: はい。ド根性でつくりました。ミニゲームがあればユーザーの皆様はきっと喜んでくださると思ったし、開発としてもミニゲームが欲しかったので、本編を作りながらサービス残業の感覚でミニゲームを作りました。作ってやりましたよ!!!! ――ミニゲームへの執着がすごいですね。ちなみにミニゲームをプレイするとどういったメリットがあるのでしょうか?: 武者小路: 喫茶“鳩”にある“レッドコインガチャ”で使えるコインが手に入ります。レッドコインガチャではほかのミニゲームで使えるアイテムやホーム画面で設定できる壁紙、エフェクト、プロフィールアイコンなど、ちょっとしたものが入手できますゆ。 ――息抜きとして遊べるようなものに仕上がっていると。本作はアプリ版(iOS版やAndroid版)も予定されているとのことですが、こちらはいつごろリリースされるのでしょうか? 武者小路: アプリ版は現在も事前登録受付中で、近いうちにリリースする予定です。なるべく早く皆様にお届けできるように、鋭意調整中です。あとアプリ版とブラウザ版はデータ連携ができますので、まずはブラウザ版を遊んでくださるとうれしいです! アプリ版と言えば……じつはアプリ版のアイコンにもあるこだわりがありまして……。 ――聞きましょう。 武者小路: DMM GAMESのタイトルや類似タイトルのアイコンって女性キャラクターを全面に押し出しているものが多いと思いますが、でも本作ではあえてそれをせずにおしゃれマークをアイコンにしました! ――そこも差別化の一環なのですね。 武者小路: そうです。でもマーケティング部からは「かわいい子を出せ!」って怒られました……。 『アンジェリカアスター』のおしゃれアイコン ――そこは押し通したのですか? 武者小路: 怒られてから2週間くらいずっと落ち込みオーラを出していたら、諦めて帰っていきました。 ――そのような駆け引きがあったのですね(汗)。でもたしかに女の子のアイコンが多いイメージなので、そういった試みは効果がある気がします。では最後に読者の方にメッセージをお願いします。 武者小路: ふんっっっっっ!(おもむろに手もとのカンペ用紙を破る) ――どうしました? 武者小路: ユーザーの皆様へのメッセージは大事なことなのでカンペではなく私の言葉で伝えないとダメだと思いまして。 ――それではお願いします。 武者小路: 「ユーザーの皆様に新鮮さ・驚きを感じて欲しい」、「独特なシステムでユーザーの皆様の記憶に残したい」という部分がベースになっているのが『 アンジェリカアスター』です。ジョブコマンドや多彩なストーリー・キャラクターに加え、戦闘中の演出、ブラウザ版独自の魅せかた、インタラクティブミュージック、ミニゲームなど、ゲームが大好きな開発メンバーのこだわりが、これでもかと詰め込まれています。 まさに家庭用ゲームっぽいソーシャルゲームに仕上がっていて、ゲームが好きな人ほど夢中になれると思います。リリース後も皆様が驚くような新要素を追加し、末永く遊んでいただけるようにしていきますので、ぜひとも『アンジェリカアスター』をよろしくお願いします! ――作り手のこだわりやユーザーへの想いがヒシヒシと伝わってくるインタビューでした。本日はありがとうございました! 武者小路: こちらこそありがとうございましたゆ。