1・4東京ドーム大会のオオトリ入場はどっちだ?10・14両国大会でIWGP世界王者・内藤哲也とG1覇者ザック・セイバー・Jrが激突
【柴田惣一のプロレス現在過去未来】
日本プロレス界、いや世界マット界で有数のビックイベント、1・4東京ドーム大会に向けラストスパートが始まる。 【動画】内藤哲也とザック・セイバーJr.が前哨戦タッグ対決で激しくやり合う(試合ハイライト) 新日本プロレス「KING OF PRO-WRESTLING 2024」(10月14日、東京・両国国技館)のラインナップが決定。7大タイトルマッチが並んだ。 1・4決戦のメインイベント出場がかかるIWGP世界ヘビー級選手権は王者・内藤哲也にG1クライマックス覇者ザック・セイバーJrが挑む。 内藤はザックへのファンの期待感をヒシヒシと感じている。確かに会場でザックに送られる声援、歓声はもはや外国人選手へのそれではない。TMDKを率いるザックは新日マットを主戦場を主戦場とする新日戦士そのもの。ファンの捉え方も「ザック=新日本」である。 ただし、ノアに留学し日本のスタイル、ファンの思いを学んだザックは、ノアと新日本のハイブリッド戦士。ノア留学を終えた大岩陸平をTMDKに迎え入れたように、ノアブランドも大切にしている。 G1を制した時も、引退を表明したノアの小川良成への感謝の言葉をまずは口にしている。小川は皆が恐れ、同時に一目置く実力者。リング上で、対戦要求でもないのに他団体の選手の名前を口にするとは、ひと昔前では考えられなかったことだ。ノアが全日本プロレス・王道をベースに築き上げてきたノアスタイルと、新日本のストロングスタイルを身に着けたザックは「俺は新日本のトップに立つ。新日本は世界で最高のプロレス団体だが、TMDKがもっと最高にしてやる」と胸を張る。 ザックが、新日本の生え抜きであり野毛の新日本道場で育った内藤を上回るとしたら「ノアエキス」だろう。大岩が振り返るように、新日本とノアには練習メニューや受け身への取り組み方、試合の組み立て、試合運び、間の取り方、リングマットの硬さ…微妙な違いがある。 内藤はあまり野毛の道場について語らないが「新日本道場」で流した汗と涙には思い入れが強く、プライドもあるはず。新日本道場は練習量も内容も厳しさも「最強」との自負がある。若手選手の頃から内藤の新日本愛は人後に落ちなかった。 2013年にG1初優勝した前後、新日本のあるべき姿を熱く語る若き内藤に頼もしさを感じ「将来、必ずや新日本を背負って立つスターになるだろう」と確信したことを思い出す。ノアでの修行の成果を隠そうとしないザックに負けるわけにはいかない。 人気者同士の対戦。どちらへの声援が上回るのか。ノアテイストもあるザックか、新日生え抜きの内藤か。勝利の女神はどちらに微笑むのだろうか。 日ごろの言動ではあまり感じさせないが、内藤の負けず嫌いは群を抜いている。新日本愛も同様だ。来春1・4東京ドーム大会で主役となるためにも、10・14決戦は勝つしかない。来年は1・5東京ドーム大会もある。米AEWなどとの合同開催となるが、新日本代表の座を譲る気もない。 淡々としているように見えるが、その実、内面は熱く勝利への欲求も凄まじい限り。内藤哲也の本性向きだしの勇姿を、1・4、5東京ドーム2連戦で披露してほしい。 内藤かザックか。実りの秋を迎えた10・14決戦で、しっかり勝利という名の収穫をしてドームのメインへ続く道を進むのはどっちだ。 <写真提供:新日本プロレス>
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