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100億円寄付を即決、ユニクロ柳井氏の「危機感」

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東洋経済オンライン

 「人類の課題ですよね、ウイルスとがんは。本庶先生も山中先生も、世界や日本のために一生をかけて研究されている。研究とビジネスは似ていて、われわれは世の中をよくしたいという思いでは変わらない。日本がこのまま衰退しないように頑張りたい」 【写真】6月24日に開かれた会見  6月24日、京都大学のシンボルである百周年時計台記念館のホール。ノーベル賞受賞者である同大学の本庶佑特別教授と山中伸弥教授、そして「ユニクロ」を展開するファーストリテイリングの柳井正会長兼社長という、異色の顔ぶれがそろって記者会見した。中央に座った柳井会長が語り出した言葉には、いつにもまして力がこもっていた。

■この研究は人類のためになる  京都大学はこの日、柳井会長個人から本庶氏と山中氏が取り組む研究に対し、総額100億円の寄付を受ける旨を発表した。  具体的には、本庶氏がセンター長を務めるがん免疫総合研究センターでの研究推進のために「柳井基金」を設置し、2020年から10年間、毎年5億円を寄付。山中氏に対しては、iPS細胞を安価で製造するためのプロジェクトに45億円、新型コロナウイルスの調査やワクチン開発などの研究に5億円を寄付するという。

 柳井会長はこれまで東日本大震災の被災地支援や、母校・早稲田大学とUCLA(カリフォルニア大学ロサンゼルス校)の連携事業などに寄付を行ってきたが、100億円という寄付額は過去最大規模となる。  今回の寄付を決めた理由について柳井会長は、「この人は本当に能力がある、成果を上げられる人だな、などというのはだいたい僕の直感でわかる。本庶先生の研究は人類のためになるし、山中先生の研究に対しても以前から尊敬していたので、微力ながら援助させていただいた」と語った。

 国が大学に拠出する研究費は使途が限定されるほか、予算の関係から年度を繰り越して使うことが難しい。  そのため、本庶氏は「国費は毎年の予算に左右され、長期的展望がなかなか望めない。柳井基金は10年間の展望で活用できるため、問題に安心して取り組むことができる」と言及。山中氏も「(使途などの)自由度が非常に高く、研究組織を運営していくうえでありがたい。生涯をかけて蓄えたお金を研究費にいただき、重い責任を感じている」と述べた。

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