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原爆の図丸木美術館が運営資金の寄付募る。コロナで収入源失う

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美術手帖

 4月9日より、新型コロナウイルスの影響で休館している埼玉・東松山の原爆の図丸木美術館。再開の見通しがつかない状況が続き、収入のなかでも大きな比率を占める入館料を失った同館が、 運営資金の寄付をウェブサイトで募っている。  原爆の図丸木美術館は、原爆投下後の広島の惨状を目の当たりにした水墨画家の丸木位里(1901~95)と油彩画家の丸木俊(1912~2000)の夫妻が共同制作した連作「原爆の図」を常設展示する、1967年開館の私設美術館だ。  同館では、丸木夫妻の個人制作の絵画や絵本原画のほか、位里の母である丸木スマの絵画を展示。また、年間5~6回の企画展では、戦争や社会的な主題を扱う芸術家の展覧会を開催し、近年では「風間サチコ展 ディスリンピア2680」(2018)、「原田裕規展 写真の壁:Photography Wall」(2019)、「菅実花展 The Ghost in the Doll」(2019)といった、若い現代美術作家の展覧会も実施している。  同館は、運営のために年間2500万円ほどの経費が必要としており、そのうちの入館料収入は毎年1000万円ほどと大きな割合を占める。1ヶ月平均にすると約200万円の収入が必要となるが、2020年度の来館者収入はほぼゼロであり、大きな助成金もないため、入館料の減収をできるだけ補填する必要があるという。  今回の寄付の呼びかけについて、丸木美術館学芸員の岡村幸宣は以下のようにコメントしている。「歴史をさかのぼれば、平和な世の爛熟だけでなく、厳しい時代にあっても人は表現を手放さなかったことがわかります。人間の心をえぐるような痛みや、鋭い社会批評を通して世界の本質に近づくことも、文化の大切な役割です。よろこびも、かなしみも、生きるための力になります。現在、より厳しい状況に直面している方々も多い状況のなかで、支援の声をあげることへのためらいもあるのですが、次の世代に『原爆の図』のある美術館をつなぐため、まずはお気持ちを持ってくださる方との連携を大切にしていきたいと思います」。 

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