初の女性トップ就任、女性比率も過去最高に 「男社会」の検察は変わったのか
検察トップの検事総長に女性が初めて就任するなど、今年は検察で働く女性に改めて注目が集まった年でもあった。検事全体に占める女性の比率は過去最高となり、女性検事が主役のドラマも好評を博した。長らく「男社会」だった法務・検察内部では女性の労働環境改善に向けた意識も高まりつつあるが、かつての感覚が抜けきらない面も。いまだ課題は山積している。 【写真】女性初の検事総長に就任した畝本直美氏 ■「第1号」から75年 初の女性検事総長となったのは、7月に就任した畝本直美氏。「女性検事第1号」の門上千恵子さんが昭和24年に東京地検検事に任官してから、実に75年を経ての出来事だった。 今年9月に公表された男女共同参画白書では、令和5年の女性検事の割合は27・2%で、過去最高になった。 平成元年には2・9%だった女性検事の割合は右肩上がりで高まり、令和3年は26・0%に。だが4年は25・8%と、初めて減少に転じていた。 「微減とはいえ、時代に逆行した結果だった」。法務・検察関係者は率直に述べた上で、検事の4人に1人が女性となった現状について「30年前は20人に1人だったことを思えば、上昇傾向に戻した事実は大きい」と語る。 ■ドラマでも注目 女性検事に対する注目が高まったのは、現実の世界だけではない。 今年4月にテレビ朝日系列で放送が始まった「Destiny(デスティニー)」は、主役の石原さとみさんが演じる女性検事が主人公のサスペンスドラマだった。父親を検事に持つ若手女性検事がひょんなことから過去の汚職事件の裏側に迫っていくことになる過程をラブストーリーを交えながら描き、全9話で完結。ビデオリサーチによると、総合視聴率は今春のドラマで5位の8・8%を記録した。 これまで地上波テレビのリーガルドラマといえば、弁護士を主人公にしたものが圧倒的に多い。検事が主役のものでは、平成13年に第1シリーズが放映され大ヒットした木村拓哉さん主演の「HERO(ヒーロー)」がまず思い浮かぶ。 ただ、Desitinyに先立ち30年に放送された吉高由里子さんが主役の「正義のセ」も女性検事が主人公で、好評を博したように、近年は女性検事が主役のドラマも目立つ。