男の子は幼児期から「ガラスのハート」 子育ては性別で分けるべきか?
男女平等の精神は男の子にとって不利!
男の子と女の子で育て方に違いがあるのか? それとも性別に関わらず同じように育てるべきなのか?──ジェンダーレス時代に物議を醸すかも知れませんが、今回のコラムでは「男女の育て方の違い」について私見を述べたいと思います。 【動画】2100年に人間の姿はこうなる マイナビウーマンが女の子の母親に「女の子は育てにくい、と感じたことがありますか?」という質問をしたところ、39.5%が「はい」と回答しました。同じく男の子の母親に「男の子は育てにくい、と感じたことがありますか?」という質問に対しては、44.0%が「はい」と答えています。 このアンケートを見る限りでは、わずかではありますが、男の子が育てにくいと感じている母親が多いことがわかります。男の子が育てにくいと感じる理由は「何を考えているか分からない」「活発・粗暴・やんちゃ」「体が弱い・すぐ泣く」などが多数を占めます。 一般に男の子よりも女の子の方が身体面、情緒面(社会性)、言語面の発達が早く、乳幼児期の子育てはスムーズに進みます。たとえば、生まれたばかりの女の子は男の子よりも大人とのアイコンタクトの時間が長く、人間の顔をより早く認識(識別)できるようになることが分かっています。 一方で男の子は、テストステロンと呼ばれる男性ホルモンの影響によって攻撃的で落ち着きのない傾向を示すようになります。そのため、走り回ったり、危ないことをしたり、突発的でじっとしていられない行動が多くなるのです。 私は職業柄(塾経営)日々母親から育児相談を受けますが、男の子を持つ母親の多くが、発育ペースが遅く、不可解な行動が多い男の子を理解できず、それがイライラの原因になっているようです。母親は女性として生まれ育ってきましたから、男の子に対しても基準(期待値)が高くなりがちなのです。 男の子の育て方で大切なのが「比較しないこと」です。「お姉ちゃんはできるのにどうしてあなたはできないの!」「お友だちはできるのに!」などは絶対に言ってはいけません。男の子はプライドを傷つけると、本当に言ったとおりにダメになってしまうという「ガラスのハート」を持っているのです。 UCLA(カリフォルニア大学ロサンゼルス校)の臨床心理士アラン・ショア博士(Allan Schore)は、男の子はストレスを受けやすい上、ストレスによって受けたダメージから回復する能力が女の子に比べて弱いため、心的ストレス障害のリスクが高くなるという研究を発表しています。 一見すると男の子は元気でパワルフなのですが、その内面は繊細で、ストレスによる影響を受けやすく、マイナスの刺激にもろいのです。つまり男の子の子育てにはより多くの愛情と世話が必要であり、それだけ手がかかるということです。