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コロナ接触確認アプリ、行動変容を促せないんじゃないか問題をフリークスが議論する――プライバシーフリーク・カフェ(PFC)リモート大作戦!04 #イベントレポート #完全版

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 いまだ感染拡大の勢いがとどまらない新型コロナウイルス感染症(COVID-19)。厚生労働省(以降、厚労省)が2020年6月19日に公開した接触確認(コンタクトトレーシング)アプリ「新型コロナ接触確認アプリ(COCOA)」は、国民の行動を変え、感染拡大防止に寄与するのだろうか――。 【収録風景】適切な距離を保っております  本稿は、公開直前の2020年6月10日に収録し、6月24日に配信したオンラインセミナー「@IT Security Live Week」の「プライバシーフリーク・カフェ リモート大作戦!」のイベントレポート完全版である。 プライバシーフリーク・カフェ(PFC)は、鈴木正朝、高木浩光、板倉陽一郎、山本一郎の4人が、情報法と社会について、自由気ままに、そして真面目に放談するセミナーで、5年にわたって活動を続けている。

胴元は厚労省

高木浩光(以降、高木) コンタクトトレーシングアプリのことを、民間がやっていることなので国は関係ないとか言い張ることはできたのかどうか。確かに、利用者が主体的に通知し合う仕組みとして、誰かが配って、誰も管理せずに動くシステムの場合には、国は関係ないとする形も可能ではあります。  しかし結局は、厚労省の確認の上で感染者を登録する仕組みなので、全体として厚労省のコントロール下にあるシステムだと言うしかないわけです。 山本一郎(以降、山本) 結局、最初に「ユーザーのデータを誰が保有しているのか」「保有者は誰なのか」を議論として明示しないまま来ちゃったということかもしれないですね。 高木 今回は、接触の記録データは各利用者の端末のローカルにあるだけだからということで、「接触のデータは取得していません」「陽性者が登録したときのIDだけ取得します」と、接触データを保有していないかのようなことが言われています。けれどもシステム全体は厚労省の制御下にあるわけです。 板倉陽一郎(以降、板倉) セキュリティ上の安全性の意味では「ローカルに保存されているだけです」と言うだけでもいいのですが、ローカルに保存される部分の動作を決めているのが厚労省ならば、「各利用者の端末にローカルで保存されていて、AppleにもGoogleにもアクセスできない状態だが、厚労省が観念的に“保有”していて、半面、責任も負っています」という前提でいかないと。そこを逃げてはいけないですよ。 高木 有識者検討会合の評価書ではそういう整理になったようには見えるので、よかった、よかった、めでたし、めでたしではあるわけですが、それを真正面からちゃんと説明していけるのかどうかですよね。 山本 政治的には、立場上「個人情報に組み込まない」と言いたくなる平将明先生の気持ちも分かります。 板倉 分かりますよ。人気が出るわけではないですからね。 鈴木正朝(以降、鈴木) 誰がコントローラーでどこがプロセッサーか、個人情報を取り扱う業務の全体の絵を描く、個人情報の重要な取り扱いの最終的な意思決定をしてその責任をとる。コンタクトトレーシングアプリは、そうした法的な責任の帰属点を国、政府に置くところに意味がある。政府の役割ですからね。  こうした問題があるにもかかわらず、「政府に開発スキルがないから」「現にデータを持っていないから」という点を指摘して、「政府が個人情報を管理するのは無理がある」とする誤解もあって、プロセッサーすら決められなかった。観念的な思考ができないのですよ。これでは、情報の政策論ができませんね。 山本 この件で肝になっているのは「データをわれわれ国や厚労省が保持しておらず、ユーザーのスマホ内などローカルに持たせているので、われわれはこれらのデータのコントローラーではない」というわけです。 鈴木 自分がコントローラーかどうかも分からない。コントローラーならプロセッサー含めた全体の法的責任を負わねばならない。個人情報の該当性もプロセッサー含めた全体で判断する。その辺りの基本的なことが理解できなかったら、全体の絵が描けない。とてもビジネスモデルは設計できませんよ。  「コロナ以後のデータ社会への移行、データエコノミーの進展をどう実現するか?」を考えれば、かなり深刻な話だと思います。コントローラー概念がピンとこないとしたら、責任の帰属点も範囲も分からない。責任を持ったビジネス展開は期待できませんから、市場から淘汰(とうた)されるべき対象でしかないということになります。 山本 そうなっちゃいますよね。

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