70代貯蓄額の中央値は「1000万円」。取り崩しスタートは65.9歳から
新型コロナウイルスのオミクロン株の感染拡大を受け、1都12県への蔓延(まんえん)防止等重点措置の追加適用が19日に決まったと報じられました。寒さも強まり、外出を控える方も多いのではないでしょうか。 【図表】70代、みんなの貯蓄相場はどれくらいか 家にいる時間が増えたときこそ、普段じっくり考えることのないお金について考える良い機会です。現代は若い年代でも老後に不安を感じる方が増えていますが、実際にそのお財布事情については気になるところですよね。 人生100年時代といわれる今、老後スタートともいえる70代に視点をあてて、その貯蓄事情をみていきます。
70代の貯蓄分布をチェック!
まずは金融広報中央委員会の「家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査](令和2年)」より、70代の貯蓄分布を確認しましょう。 70歳以上世帯の「金融資産保有額」(金融資産を保有していない世帯を含む) ・平均:1786万円 ・中央値:1000万円 70代の貯蓄の平均は1786万円ですが、より実態に近い中央値でみると1000万円です。くわしく分布を見ると、金融資産非保有、つまり貯蓄ゼロの世帯が18.6%と約2割を占めていますね。 70代に入ると持病を抱えたり、また介護が必要になるという可能性もあります。そういった点を考えると貯金がないと不安に感じるでしょう。 最も多くを占めたのは「3000万円以上」で19.0%でした。 金融資産ゼロと3000万円以上の方の割合はそれぞれ2割ほど。この結果に驚かれた方もいるかもしれませんね。それだけ貯蓄格差が広がっているということが分かりました。
老後資金の使い始め、平均は65.9歳から
70代の貯蓄分布を確認しましたが、一般的にはすでに老後資金として取り崩し始めている貯蓄額になります。 生命保険文化センターの調査によれば、老後資金を使い始める平均年齢は65.9歳から。何歳くらいで使い始める人が多いのか、具体的に確認しましょう。 老後資金の使用開始年齢 ・59歳以下:1.2% ・60歳:14.4% ・61~64歳:1.5% ・65歳:39.7% ・66~69歳:1.9% ・70歳:20.9% ・71歳以上:4.9% ・わからない:15.4% 上記を見ると、最も多いのは65歳からでおよそ4割です。年金の受給開始も一般的には65歳からですから、老後スタートを65歳と考えている方が多いようですね。 次に70歳が20.9%、60歳が14.4%でした。 老後資金を貯める際には「いくら貯めるか」ばかり考えてしまいがちです。同時に、「何歳から使い始めるか」も考えたいですね。老後資金を使い始める年齢が後になるほど、貯蓄が減るスピードを抑えることも可能です。 ただ、何歳まで働けるか、それまでに病気やケガなどはしないかといったことは誰しもわからないので、早いうちから備えていくのが理想でしょう。