1割程しか止まらない交差点も…『一時停止違反』交通事故の大きな要因に “停止線ある理由”間違えている人多く
交通事故による死者数が多い愛知県で、一時停止を止まらなかったことが原因の事故が多く発生しています。一時停止の本来のルールは「左右を確認するため」ではありません。名古屋の交差点で実態も調査しました。 【動画で見る】1割程しか止まらない交差点も…『一時停止違反』交通事故の大きな要因に “停止線ある理由”間違えている人多く
■一時停止守ったのはわずか“1割” 名古屋の交差点で調査
愛知県は、交通事故による死者数が全国ワースト2位です。一時停止を止まらなかったことが原因の人身事故は、2024年は県内で1000件を超え、23年から300件以上も増加していて、交通事故の大きな要因となっています。 中村区内の交差点で、法律で定められている正しい一時停止=『車の先端が停止線の手前にあり、タイヤが完全に止まった状態』に何台がなっているか調べてみました。
停止線を越えてから一時停止する車や、停止線で完全に止まるどころか線を越えてもしっかり止まらない車も…。通った37台の車とバイクのうち、実に33台もが停止線をオーバーしていて、ルールを守れていたのはわずか1割ほどでした。
この交差点では23年までの5年間に、出合い頭の人身事故が10件も起きています。
近くの住民: 「(自転車の)学生さんが何台も朝はよく走るから。だからここ(停止線)から出たら危ない。車にぶつかって、女の人がそこまで飛んできたこともある」
■一時停止は「出合い頭の事故を防ぐため」
一時停止がちゃんとできない理由について、ルールを守る意識の問題ももちろんありますが、そもそも認識を間違えているドライバーが多いといいます。 中部日本自動車学校の担当者: 「一時停止の停止線が設けられている理由を間違えている方が結構多いんじゃないかと思います。『確認をするため』とおっしゃるんですけども、『出合い頭事故を防ぐため』という理由です」 一時停止は、左右を確認するためのものではなく、その前に「出合い頭」の事故を防ぐためのルールです。
また、フロントの先はドライバーの死角となるため、車両感覚をつかまなければ、停止線にピタリと止めることはできません。 中部日本自動車学校の担当者: 「ドライバーから見て約4メートル先が、下が見えないといわれています。ご自分の車の車両感覚をつかむということで、線を意識した運転が必要になるかと思います」
モータージャーナリストの菰田潔さんは、一時停止を「カッコよく」止まれるかどうかでドライバーのスキルがわかるといいます。 モータージャーナリストの菰田潔さん: 「一時停止もできないというのは、他の道路交通法も守られていないということだと思いますね。うまいドライバーになってくれば、自分の車の幅とか長さを正確に把握して、それをきちんとコントロールできる。停止線にぴったり止まっていれば、結構カッコよく見えると思うんですよね」