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まるで打ち切り?1978年のアニメ『はいからさんが通る』 38年の時を超えて完結

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マグミクス

もう、うわさは、聞きましたか

 1978年6月3日はTVアニメ『はいからさんが通る』(はいからさん)の放送が開始された日です。「はいからさん」ことお転婆娘の花村紅緒(以下、紅緒)が激動の大正時代を駆け抜ける骨太のスト―リーと、伊集院忍少尉(以下、少尉)との恋愛模様は多くの人をとりこにしました。子供の頃に何度も再放送を見て、最後の展開にはどうにも納得いかなかったライターの早川清一朗さんが思いを語ります。 【画像】わずか8巻で完結した傑作 * * *  筆者がアニメ『はいからさんが通る』を見るようになったのは、たぶん幼い頃に姉とのチャンネル争いに敗れたからだろうと推測しています。それでも大正時代という知らない世界で生きる紅緒お姉さんの明るさと、苦難には全身全霊で立ち向かうパワーに惹かれ、いつしか再放送があると自分からTVの前に陣取るようになっていました。  紅緒以外にも幼なじみの女形役者である藤枝蘭丸や、少尉の部下で馬賊に転向し少尉を探しに来た紅緒と運命的な出会いを果たした鬼島森吾など魅力的なキャラクターが随所に登場し、時にギャグをぶちかまし、時にシリアスに振る舞う姿は本当に生き生きとしていました。  ただ、子供の頃はさっぱり分からなかったのですが、『はいからさん』の時代は大正デモクラシーで提唱された男女平等による職業婦人の登場や、ロシア革命の余波によるシベリア出兵などにより、日本という国が、そして世界が大きく動いた時代であり、紅緒と少尉はまさにそのただなかを駆け抜けていたのです。  作中で少尉はシベリアに出征して消息を絶ち、財産のない伊集院家を支えるため、紅緒は出版社に入社して働き始めます。これらのドラマは、日本が徐々に軍国主義への道を歩み出し、女性がジェンダーから解放されつつあった大正という時代を見事に反映しているのです。  実は大正時代の資料は関東大震災や東京大空襲により多くが消失しており、現在は入手困難とされています。原作者の大和和紀先生やアニメのスタッフの方々が大正を描き上げるには大変な苦労があったのではないかと推測すると共に、史実の間をドラマで埋める、大和和紀先生のクリエイターとしての才能が超一流であったことを示しているのでしょう。

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