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ネット上の人権侵害を考えるオンライン集会開催 「被害者救済の法制定を」

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週刊金曜日

 女性プロレスラー、故・木村花さんやジャーナリストの伊藤詩織さんらへのインターネットでの誹謗中傷がクローズアップされ、総務省が「発信者情報開示」のあり方を検討する中、「ネット上の人権侵害 被害者救済のために法が今、すべきこと」と題したオンライン集会が6月9日に開かれた。  主催したのは昨年12月にネット上の「人権侵害情報対策法モデル法案」を提示した「ネットと人権法研究会」。Zoomアプリを使った集会では、清水陽平弁護士が発信者情報開示のために「二度の裁判手続き」が必要になるなどネット中傷への法的対応の困難な現状と課題を報告。上瀧浩子弁護士はフリーライター李信恵さんへの悪質な攻撃と勝訴事例をもとに「日本人より在日外国人、男性より女性の方が攻撃されやすい」といった「複合差別」の現実と裁判の限界などを指摘。金尚均龍谷大学教授はドイツで2017年に成立した「SNSにおける法執行を改善するための法律」の要点や「民間機関の設置、発信者情報開示の強化」などを盛り込んだ法改正をめぐる動きを紹介した。  これら内外の現状に対し「裁判手続きを経ずに簡易、迅速、低コストで問題解決を図る」ための「モデル案」(インターネット上の人権侵害情報対策法)について宮下萌弁護士は「第三者機関『インターネット人権侵害情報委員会』の設置を盛り込んだのが肝」とし「被害者救済のための実効性ある法律制定が望まれる」とした。7月にも中間報告を取りまとめる予定の総務省の研究会について、師岡康子弁護士は「誹謗中傷といった抽象的な基準ではなく、何を人権侵害情報とするかを明確にし、行政から独立した専門的な第三者機関を設置することが重要」と提案した。集会に参加した国会議員からは権力批判や表現の自由を封じる恣意的な動きへの懸念の声も出された。 (片岡伸行・記者、2020年6月19日号)

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