ケディラ、レアル・マドリード時代を振り返る「全員がペレス会長に『どうして売ってしまったんだ!?』と言った選手がいる」 | ラ・リーガ
元ドイツ代表MFサミ・ケディラ氏が、レアル・マドリード時代を回想している。 2010年から2015年までレアル・マドリードに在籍したケディラ氏。ジョゼ・モウリーニョ監督やカルロ・アンチェロッティ監督が指揮したチームで中盤の汗かき役を務め、ラ・リーガとチャンピオンズリーグを1回ずつ勝ち取っている。 ケディラ氏がプレーしていた頃のスペインフットボール界は、ジョゼップ・グアルディオラ監督らが率い、FWリオネル・メッシがエースを務めたバルセロナが圧倒的な勢いを見せ、レアル・マドリードがどうにか対抗していた時代でもあった。スペイン『マルカ』とのインタビューに応じた同氏は、その当時のレアル・マドリードやバルセロナについて次のように振り返る。 「レアル・マドリードのキャプテンはカシージャスだったが、リーダーはセルヒオ・ラモスだった。セルヒオはスペイン人の血とレアル・マドリードのDNAを持っていたからね。そしてクリスティアーノ・ロナウドは、クラシコのような試合のときにはいつも心構えができていて、全員の気持ちに火をつけた。仲間をつかまえて、全力を出させるようなことを言うんだ。『行くぞ、サミ。アグレッシブになれ。メスト(・エジル)、お前の魔法を引き出すんだ。ディ・マリア、ボールを持って、勝負を挑むんだ……』。彼はクラシコのような試合で全員の心を奮い立たせた。彼こそがモチベーターさ」 「そして、モウだ。彼もああいった大一番で天才性を発揮していた。そのゲームプランのつくり方といったら! もちろん彼が執着していたこと、最も大きな問題として扱っていたのは、メッシを止めることだった。だけど彼を止めることに執着していたのはモウだけじゃなく、チームの全員だった。そうしたすべてが、大一番で信じられない雰囲気をつくり出したんだ。僕たちは100%以上の力を出さなければいけないことを自覚していたよ」 ケディラ氏はまた、当時のレアル・マドリードで最もスペシャルな選手が誰であったのかを問われ、自身と同じくドイツ代表としてもプレーした、あの天才MFの名を挙げている。 「誰もがクリスティーノだと思っているだろう。確かに、試合に勝たせる男はクリスティアーノだった。彼は絶対に裏切らない。いつだってそこにいてくれるからね。僕たちはゴールを必要としていて、だからクリスティアーノにボールを渡したんだ」 「だけど、僕にとって最もスペシャルな選手はメスト・エジルだった。彼の退団(2013年にアーセナルに移籍)からそれを説明するよ。メストが去った日、僕たち全員がフロレンティーノ(・ペレス会長)に言ったんだ。『なぜ彼を売るんだ!』って。そう、全員が彼にそう言ったんだよ。ベンゼマ、クリスティアーノ、ラモスもいたけど、エジルは完全なる天才、本物の魔法使いだった。僕は彼の後ろでプレーしていたけど、たとえ変なパスを出しても、簡単にトラップしてしまうんだ。あんなクラス、あんなクオリティーを持つ選手はほかに見たことがない。本当にね」 「もしエジルがレアル・マドリードを退団していなかったら、バロンドールを獲得していたか? 分からないよ。あの頃はクリスティアーノとメッシのほか、僕にとっては受賞すべき存在だったチャビやイニエスタもいたからね。メストは素晴らしいキャリアを築いたが、マドリードに残っていればまた違うキャリアになっていただろう。彼は僕に言ったんだ。マドリードから去ったのは大きな間違いだったって。あのクラブにはすべてがあったからね」 「ベルナベウは彼を愛していたし、彼はまるで天使のようにプレーしていた。メストは本当にジダンのようだった。そう、僕のアイドルはジダンだったんだ。ジズーとメストのプレーを『youtube』で見ると、そのボールコントロールはまさに……。メストはジダンだったよ」