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ビーバーのいる森は火災に強い、研究

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ナショナル ジオグラフィック日本版

衛星画像で見えた、ビーバーが作ったダムの意外な効果

 米国西部で森林火災が猛威を振るっている。カリフォルニア州では120万ヘクタール以上が焼け、オレゴン州では50万人以上が自宅からの避難を余儀なくされた。そんな中、我々が火災と闘ううえで、心強い仲間がいることがわかった。ビーバーだ。 ギャラリー:南米のビーバー根絶計画、人間が持ち込んだビーバーの悲劇 写真17点  学術誌「Ecological Applications」に9月2日付けで発表された研究によると、ビーバーがダムや池を作り、水路を掘ることで、動植物にとっての防火シェルターが生まれていることが判明した。場合によってはこれが森林火災の延焼を止めることさえある。 「すぐ隣で火事が起こっていても平気です」。そう話すのは、米カリフォルニア州立大学チャンネル・アイランド校の生態水文学者で、今回の研究を率いたエミリー・フェアファックス氏だ。「ビーバーの作ったダムがある場所は、青々として健康的なのです」  アラスカ州からメキシコ北部にかけて生息するアメリカビーバー(Castor canadensis)が、生態系に様々なメリットをもたらすことは以前から知られていた。ビーバーが作った池や湿地は水質を改善し、サケの生育を助け、水中の炭素を隔離し、洪水を緩和する。研究者たちはさらにもう一つ、彼らが重要な役割を果たしているのではと推測してきた。森林火災の拡大を遅らせることだ。 「複雑な話ではありません。水は燃えない、ということです」。米ユタ州立大学の地形学者、ジョー・ウィートン氏はそう話す。たとえば2018年、アイダホ州で起きた森林火災「シャープス火災」で2万6000ヘクタールが黒焦げになった後、ウィートン氏は焼け野原の中に美しい緑の土地が輝くのを見つけた。ビーバーの作った湿地が炎を生き延びたのである。しかし、これまでこうした現象を本気で調査した科学者はいなかった。 「フェアファックス氏の研究は抜群にタイミングが良いものです」とウィートン氏は評価する。同氏は今回の研究には参加していない。「自然を基盤とした対策や自然インフラの重要性が示されており、科学的な裏付けも提供されています」

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