【インテリア実例】「ティファニー ホーム」のディレクターがハンプトンの家を公開
ファッション業界での経験(ローレンは『ヴォーグ』誌でキャリアをスタートした)が、彼女の意識を変えた。「仕事を始めてから、ファッション関連のパーティーや、もっと内輪で行われるハイクラスのディナーにも参加し始めました。こうして、これまでとは異なる視点で物事を見るようになったのです」とローレン。 「テーブルセッティングをしたり、メニューを考えたり、ディナーをふるまったり、こうしたことすべてを、クリエイティブで芸術的な表現と捉えるようになりました。自分の"完璧さ"を押し出すことは重要ではなく、目指すべきは、美しく、心を揺さぶるようなものを生み出すことだったのです」 ローレンは、イタリア人デザイナーのエルサ・ペレッティが「ティファニー」のホーム&ライフスタイル部門を刷新した、ブランドにとって重要だった時期についても触れた。エルサは大胆で彫刻的なジュエリーやダイニングのためのアイテムをデザインし、ブランドに大きな変化をもたらしたのだ。保守的なアクセサリーメーカーとしての立場を脱した「ティファニー」は、パロマ・ピカソやフランチェスカ・フランチェスカ・アンフィテアトロフといった女性デザイナーを迎え、売り上げを伸ばしていった。 自身の初仕事にあたり、ローレンはテーブルに目を向け、新たなモチーフとアーカイブのパターンをつなぎ合わせた。「テーブルの風景にルネサンス的な動きがあったのを感じます」と彼女は言う。 「多くの人がテーブルウェアを使い、シンプル楽しむようになりました。先入観なしにね」。"クレスト"は、「ティファニー」初の紋章入りのコレクション。伝統と改革のはざまに存在するスリルのようなものを捉えた。 <写真> デザートは、「ティファニー」の"クレスト"サラダプレートに。ローレンは、ブランド初となる紋章入りのデザインを採用した。
「私は、17世紀から19世紀につくられた、紋章の入った陶器のコレクターなんです」と(大学では歴史学を学んだ)ローレンは言う。「どこへ行っても、蚤の市が開かれている場所を聞きます。いつも何か買ってしまうのですが、1つのセットを完璧に集められたことはありません。だから、そんなセットを揃えることが夢です」 "クレスト"が表現するのは、「ティファニー」が誇る銀細工のサヴォアフェールや、伝説的デザイナー、ジャン・シュランバージェによるアイコニックな"バード オン ア ロック"のモチーフだ。「家でも使っています。伝統的なフォーマルディナーにぴったりですよ」 ローレンがディレクションを担当した初のプロジェクトには"ティファニー ベリーズ"に"ティファニー ウィステリア"、"ティファニー トワール"、"ティファニー T トゥルー"、それから"ヴァルス ブルー"が含まれている。 「ブルーとホワイトをベースに、ゴールドを加えて…典型的なボーンチャイナですね。でも、私はアイルランド製のアップリケや刺繍が美しいテーブルクラスと合わせて、これを屋外で使っているんです」とローレン。「カップ&ソーサーには白いナプキンと輝くシルバーウェアを合わせるのが私のやり方。とてもシンプルだけれど、これだと失敗がないし、エレンガントに見せることができます」 <写真> "ティファニー ベリーズ" を彩るのは、ローレンがアーカイブから再生した生命の木のパターン。