【インテリア実例】「ティファニー ホーム」のディレクターがハンプトンの家を公開
チャールズ・ルイス・ティファニーがその名声を確立したのは、19世紀。舞台は、黄金時代を謳歌するニューヨークのサロンだった。「美しいデザインが美しい生活をつくる」―この美学をもと、頭角を現し始めていた起業家、ティファニーは、アスター家やヴァンダービルト家といった名家の面々が集うきらびやかな場所を拠点に、ヨーロッパから運ばれてきた宝石や陶磁器をこの街に広めていった。 今から1年前、ローレン・サント・ドミンゴは、「ティファニー ホーム」のアーティスティック・ディレクターに任命され、この歴史あるブランドの系譜に連なることとなった。ファッションのオンラインショップ、モーダ・オペランディの設立者でチーフ・ブランド・オフィサー、21世紀社交会のリーダー的存在でもあるローレンは、精神的にもチャールズ・ルイ・ティファニーの起業家としてのハイレベルなセンスを受け継いでいる。コネチカット州で育ったローレンには、幼少期からこのブランド「ティファニー」が刷り込まれていた。 「特別エレガントなダイニングルームには、いつも『ティファニー』の陶磁器が並べられていたのを思い出します。あらゆる場面で目にしました。結婚式にも、それからほかの重要な節目にもね」US版「ベランダ」より
昔ながらのアメリカを感じさせるニューイングランド的なスタイルをベースにしながらも、ローレンの視線はずっと前を向いている。彼女の美意識をつくるのは、古典主義とそれに抗う力が生む、洗練された対立だ。「コネチカットでは、女性がゲストをもてなす場合に求められるレベルがとても高い。すべてを自然でエレガントに、そしてつつなくこなさなければいけません。なかなか荷が重いですよね」 「こうした完璧な主婦像は、私の目指すところではありませんでした。私は、あらゆる出来事の中心であるニューヨークに行きたかった。だから、何年もの間、コネチカットで体験したようなもてなし方を拒絶していたのです」 <写真> カクテルアワーが似合う離れでは、アレクサンダー・カドラーの《Les vers noirs》がラスティックな壁を華やげる。チェアは ビリー・ボールドウィン・スタジオ 、"エルサ・ペレッティ™ ボーン カフ"は「ティファニー」。