入浴中の不慮の事故を防ぐ 冬の浴室に潜む危険 温度差を小さく ゆっくりとお湯に慣らす 声掛けも
福島テレビ
このニュースに驚きと悲しみを感じた方も多いのではないだろうか。俳優で歌手の中山美穂さんが12月6日、自宅で亡くなり、8日所属事務所が「入浴中の不慮の事故」と公表した。この季節の入浴の危険、決して他人事ではない。 <ヒートショックに注意> 「入浴中の不慮の事故」…どのような事態が想定されるのか。 福島市保健所健康づくり推進課の佐藤香代子さんは「寒いところから暖かいところに来て、急激に体温や血圧の変動が起こって意識を失ってしまったり」と話す。 特に寒くなる季節、入浴のために脱衣所や浴室で裸になると、体温が下がって血管が収縮し血圧は上昇する。そして、お湯につかると体温が急に上がり血管が拡張することで、今度は血圧が低下…急激な変化が失神や心筋梗塞などを引きおこし、溺れてしまったり病気を引き起こして最悪の場合、死に至る。 <温度差を小さく> 消防によると2023年、福島市内だけでも「浴室からの救急搬送」は100件あまりで、特に冬の時期に増える傾向にある。こうした事故を防ぐために「温度差を小さくする」ことが大切だ。福島市保健所の佐藤さんは「脱衣所を暖かくしておく、浴槽の湯気であったりとか、シャワーで浴室を暖かくしておく」とアドバイスする。 <ゆっくり慣らす> 事故を防ぐために推奨されるお風呂の設定温度は41℃以下。心臓から遠い足先からゆっくりとお湯の温度に慣らすことで血圧の急な低下を防ぐ。 浴槽から立ち上がる際にも注意が必要だ。急には立ち上がらずヘリなどに手をついてゆっくりと立ち上がるのが良いという事だ。 <声掛けも事故防止に> 消費者庁によると、65歳以上の浴槽での事故は、交通事故の2倍以上とするデータもあるが、年齢に限らず注意は必要で、入浴中の人への声掛けも事故を防ぐことにつながる。 福島市保健所の佐藤香代子さんは「高齢でない方でもどなたでも、持病がない方でも起こる可能性というのはありますので、注意をしていくことが必要になります」と浴槽での事故に警鐘を鳴らしている。 中山さんの「入浴中の不慮の事故」について詳細は公表されていないが、54歳という若さでの悲しい事故だった。命を守るために「急激な温度差をなくす」ということを念頭に置きながら事故を防いでいただきたい。
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