恐ろしい…老朽化が進んだ「分譲マンション」の酷すぎる末路
国民の約10人に1人は分譲マンションで生活している今、マンションに住む人たちは大きな危機に瀕している。老朽化と大規模修繕、管理組合との付き合い、住民の転居と高齢化……。マンション購入時には明かされない課題を解説。 ※本記事は幻冬舎ゴールドライフオンライン掲載の書籍 『分譲マンション危機』(幻冬舎MC) より一部を抜粋したものです。
「私の住まい」が「ゴーストマンション」に至るまで
◆分譲マンションは、無限の将来にわたって快適で安心して住み続けられるか 仮に、今住んでおられる分譲マンションで、なにかあれば転売して転居すればよいと考える区分所有者もおられると思いますが、将来的には転売をしたくても買い手のつかない分譲マンションとなっていきます。 あなたの分譲マンションの将来を想像して頂ければ良いのですが、現在住んでおられる大部分の区分所有者の皆様は、将来のことは次世代の区分所有者や転入してくる新しい区分所有者が考えることであり、自分達には直接関係のないことと思い、興味を持たれないのです。人間個人の人生の終焉と同じように、例外なく必ず訪れてくるご自身の分譲マンションの終焉に対する準備には、全く興味を示されないのです。 今のままで将来のことを考えない態度を続けていても、そのうち社会問題化してくれば、国や行政がなんとかしてくれて支援や解決をしてくれる、と思われているのかも知れません。 しかし、皆様が考えておられるような、区分所有者にとって有利な支援は受けられません。人の人生の終焉は、自分の死去だけのことで済みますが、分譲マンションの終焉は、難しい事柄が内在しており『管理組合の解散』という終焉を迎えたくても迎えられないのです。
「限界マンションになる」避けられない運命
区分所有者全員の合意で管理組合は解散できると、民法251条や区分所有法第55条から解釈できると思われますが、現実的には解散できないのです。今までの事例にしても、具体的に建物解体決議や管理組合解散決議はないに等しいと筆者は認識しています。 皆様の分譲マンションも、やがて老朽化が進み、空き住戸が徐々に増加し、管理組合の活動もままならず、限界マンションといわれる状態のマンションとなることが予想されます。 住民のモラルは低下し、ゴミなどの管理はできず、マンション管理会社とのマンション管理委託契約も管理会社の方から継続を拒否され、継続したくてもできず、建物についても解体費用の蓄積もなく、解体もできず管理組合も解散できないゴーストマンションとなっていきます。 自分の住んでいるマンションが、近い将来にこのような状態に陥るとしても、現在の自分には無関係と思われている区分所有者が非常に多いのが現実です。