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タワマンは伝染病に弱かった…「ナイチンゲールの警告」とは?

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悪者にされた「石油ストーブ」

ところで、エアコンによる暖房に比べ、ガスストーブや石油ストーブが暖かいと感じたことはありませんか。これら開放型暖房機器は (1)直火による輻射熱の影響 (2)燃焼時に生じる水分が湿度を高めること が相まって体感温度を高めています。しかし開放型暖房機器の利用は多くのマンションで禁じられています。 火災の危険性や燃焼ガスによる室内空気の汚染、ガスや石油等の臭いが禁止の理由として挙げられますが、もう一つの理由は結露をしやすい暖房機器だからではないでしょうか。 過乾燥は目に見えないが、目に見える結露は避けたい。それが新建材を供給する側のもくろみではないか。自然素材を使い続けてきた結果、そう考えるようになってきました。 また結露を換気不足の仕業にしているのも責任転嫁が過ぎると思います。24時間換気システムが強制された背景には、湿気だけではなく建材から発生する化学物質を適切に排出する意味合いも折り込まれています。しかし、冬の常時換気は寒くてあまり快適とはいえません。 輻射(注※中央の一点から周囲に射出すること)による暖房であれば、周辺の壁・床・天井を温めていますので、1時間に1度くらい空気を入れ換えても、窓を閉めればまたすぐに暖かくなります。しかし空気を暖めるエアコンは、空気を入れ換えてしまえば、それまでの暖房を台無しにします。 それゆえ、こちらもまた24時間換気システムという、気がつかれにくい少量換気で問題を顕在化させないようにしているのではないかと疑ってしまいます。 室内の吸放湿量が適切にあれば、これら開放型暖房機器を使用しても著しい結露が生じることはありません。むしろほんとうに大切なことは、窓を開ければ十分な風通しが得られる間取りを、できるだけ自然素材でつくることだと思うのです。

ナイチンゲールも説いた「換気」の重要性

換気といえば、1860年に記された「看護覚え書」において、フロレンス・ナイチンゲールは換気の必要性を説いています。 「伝染病が伝染するのは病原菌のせいではなく、空気がよどんでいるせい。窓を開けなさい」と病院内を衛生的に保つことを何度も何度も書いています。 同書の中で「薬を与えることは何かをしたことであり、(中略)新鮮な空気や暖かさや清潔さを与えることは何もしていないことである、という確信がなんと根強くいきわたっていることか」、窓を開けることも大切な看護であり、「具合が悪いのは病気のせいではなく看護が良くないせいだ」と手厳しく記しています。 毛布を日に当てること、部屋の掃除をすること、掃除の際には窓を開けること。その一つひとつは当たり前のことに思えますが、最近の高層マンションの中には窓も開けられない部屋もあるようです。 やはり未だに必要な喧伝なのかもしれません。

鈴木 雄二

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