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タワマンは伝染病に弱かった…「ナイチンゲールの警告」とは?

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外は乾燥しているのに「結露」に悩まされる

このような根拠から同書では湿度の適正範囲を40%から70%としています。エアコンの影響についても指摘しています。 いわゆる冷房病とは、過激な冷房によって両足または全身の冷感、倦怠感、疲労感、上気道炎症状、胃腸障害、頭痛、関節痛、神経痛などの身体症状がみられることです。 同書では、室温が27℃以下になると冷房病がみられるようになり、25℃以下になると明らかに増加する、とあります。エアコンに頼った暮らしは体にまで影響を及ぼすというものです。 自然素材により、湿度の変化を抑制し、快適な住環境を作っていくことの重要性が同書からも読み取れます。 エアコンによるドライや加湿器のない時代、どうやって湿度を40%から70%にコントロールしていたのでしょう。気象庁のデータが示すように、冬場も十分な湿度があったと考えれば、まさに「家の作りやうは、夏をむねとすべし」です。 湿気が抜けるよう風通しを良くするための間取り、簾戸に着替える夏支度、さらに土壁や障子紙や襖、ムクの木による調湿作用が影でバックアップしてくれる住まいだったのです。冬場も寒ければ囲炉裏で暖をとり、お湯を沸かすことで体感温度も和らげていたのでしょう。 それが1960年代後半の大量供給時代に「家の作りやう」は大きく変化します。自然素材から新建材に取って代わられ、土間や土壁の存在が消えた建物の室内は調湿性も熱容量の効果も薄められました。 「調湿性も熱容量もない」室内空間は、ビニールハウスを想起させます。住宅はこの方向へ向かっていきます。 これは、湿度・温度がともに急変しやすく、結露を発生しやすい室内環境なのです。加えて工業製品のアルミサッシが普及することで、窓の気密性が増し、湿気の逃げ場がなくなり、やはり結露の発生を誘引することになりました。 湿度を嫌い、それを対処する住文化をもっていたはずの日本の住まいは、便利になるはずの大量供給の時代を経て、外部環境は乾燥化しているにもかかわらず、結露に悩まされることとなるのです。なんという矛盾でしょうか。

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