20号逆転満塁&21号2ランでダービートップに並んだ阪神の大山はバース以来の本塁打王になれるのか?
まだ44試合を残す中で、タイトルの話をするのは早いのかもしれないが、本塁打は打率と違って減らない数字。もし大山が本塁打タイトルを獲得すれば、あの「神様、仏様、バース様」と呼ばれたバース氏が1986年に2年連続で3冠王を達成、47本塁打で本塁打王になって以来、34年ぶりの快挙である。生え抜きでは掛布氏が1984年に37本塁打で3度目の本塁打タイトルを獲得して以来、36年ぶりに閉ざされていた扉を開けることになる。 果たして大山にタイトル奪取の可能性はあるのか。 阪神OBで評論家の池田親興さんは、「あるか、ないか、と聞かれれば可能性は大いにあると言える」と、その可能性に太鼓判を押した。 「阪神が残り44試合で、巨人が45試合。おそらくペースが若干アップすると見て、35本前後の本塁打王争いになると思う。大山が岡本よりも有利だと考えるのは、その環境だ。阪神ファンには、叱られるかもしれないが、巨人とのゲーム差と、今年はCSがないことを考えると阪神が先に消化試合に突入する可能性は高い。一方の巨人は優勝が決まるまでマジックを減らすプレッシャーのかかる試合が続く。9月から10月上旬にかけては他球団が巨人に意地を見せようと、あえてエース級をぶつけてくる可能性もある。その中に置かれて当然マークがきつくなる岡本と、プレッシャーがないところで思い切って打てる大山では、ここから先のトータルで本塁打数に差が出てくる可能性は大きいだろう」 大山が、このままのペースを維持すれば33本に到達することになる。 池田氏は大山の進化の部分を指摘した。 「私はバッティングの専門家ではないが、今年は投手方向から背番号が見える時間が長いのがわかる。つまりテイクバック、間を作る時間が長い。そうするとボールを見極める時間が取れ、タイミングも取りやすくなっていく。一時、それが原因で差し込まれるケースも見られたが、今は、左肩が、ほとんど内側に入っていかない。彼なりに修正したのかもしれないが、ホームラン量産もうなずけるカタチがある」 実はデータも大山の進化を証明している。