苦境の川崎ブレイブサンダースに活力を与える柏倉哲平の信念「がむしゃらに泥臭くやってきたのが自分のキャリア」
米須合流を控え「簡単にポジションを譲りたくない」
越谷戦は2試合続けて最初からリードを奪われる大敗だったが、逆にバイウィーク明け最初の試合となった11月30日、12月1日のアルバルク東京戦、今回の琉球戦と川崎はリーグ上位の競合相手に立ち上がりは互角の戦いを演じながら、最後に失速して敗れている。 チームとして地力の差が出たとシンプルに結論付けることも可能だが、柏倉は司令塔として「相手に離されそうな時、どこで攻めるのかをより明確にしないといけない」と反省する。 「今日だったらサッシャ選手が乗っていて、彼を生かすためのプレーメークをもっとしないといけなかった。そして相手は決め切るべきシュートを決め、自分たちは確率が良くなかったところで差が出ました。そこは自分がワイドオープンで決めないといけない。リバウンドを取りに行くところでチーム全員にもっと意識付けさせないといけない。そういうところは声がけとか、プレー一つで見せられると思います」 昨シーズンから川崎は試合中にハドルを組む回数が少ないなど、コミュニティケーション不足が目立っていた。柏倉はこの部分を変えられるリーダーシップを持っている。「勝てない時、バラバラになりがちなところを声がけ一つで自分は変えられると思っています。そこでもリーダーシップを発揮しながら自分のパフォーマンスを上げて、チームのためにアグレッシブにやっていきたいです」 苦しい状況が続く川崎だが、あと少しですでに加入が発表されている日本大学4年の司令塔である米須玲音、大東文化大4年のウイングである山内ジャヘル琉人と世代屈指の若手が合流する。特に高校時代から脚光を浴びてきた米須には大きな注目が集まっている。 同じポジションである柏倉は、チームの戦力アップを歓迎すると同時に「簡単に自分のポジションを譲りたくないと常に思っています」と力強く語る。 「自分の良さでチームに貢献したい思いが一番に強いので、絶対に負けたくないです。ただ、競争することでチーム力は上がります。『自分より上手いからポジションを取られていいや』とはさらさら思っていません。がむしゃらに泥臭くやってきたのが自分のキャリアであり、そこを継続してチームのためにやっていきたいです」 米須には即戦力として大きな期待を寄せる人が多いだろう。だが、ここに来ての柏倉のステップアップも川崎にとって大きなプラス材料だ。今週末のホームゲーム、柏倉がメインガードとして今の勢いを維持できれば連敗ストップは自然と見えてくる。