苦境の川崎ブレイブサンダースに活力を与える柏倉哲平の信念「がむしゃらに泥臭くやってきたのが自分のキャリア」
接戦を落として「悔しい気持ちでいっぱいです」
12月11日、川崎ブレイブサンダースはアウェーに乗り込んで琉球ゴールデンキングスと対戦した。第4クォーター残り5分まで互角の戦いを演じたが、ここ一番での攻守における遂行力の差が響いて、75-85で敗れた。 これで5連敗、ここまで4勝15敗と苦しい戦いが続いている。それでも、この試合はその前の週末、越谷アルファーズ相手にディフェンスが崩壊し、2試合続けて100失点以上を献上しての連敗を喫したことに比べると、内容面では大きな進歩が見られた。 そんな試合で22得点8リバウンド2ブロックのサッシャ・キリヤ・ジョーンズとともに、チームに活力を与えたのが司令塔の柏倉哲平だった。今シーズン自己最多となる30分46秒の出場で5得点7アシスト、ターンオーバーはわずか1と手堅いゲームメイクを披露した。 今シーズンから川崎に加入した柏倉は、ここまで出番に恵まれない日々を過ごしてきた。だが、12月8日、越谷との2試合目で先発起用され24分56秒出場で8得点6アシスト4リバウンドを記録。そして今回の琉球戦と2試合続けてハイパフォーマンスを見せた。柏倉の貢献度の高さはスタッツ以外にも出場時間の得失点を表すプラスマイナスにおいて、74-100と大敗した8日の越谷戦で0、今回の琉球戦も-3と、彼がコートに立っている間は互角の戦いとなった。 試合後、柏倉はこう振り返る。「前節の越谷戦が、チームとしてどうやって戦うのか体現できなかった酷い内容でした。たくさんのファミリーの皆さんが応援してくれている中、よりエネルギッシュに一人ひとりが気持ちを出さないといけないとみんなで話し合って臨んだ試合でした。本当に勝ちたかったですし、悔しい気持ちでいっぱいです」 そして、個人として次のように手応えと反省を語る。「ずっと篠山竜青さんの姿を見てきて、ペイントにアタックすることが一番の仕事で、アグレッシブに攻める部分はできたと思います。ただ、判断の部分で良かった点、悪かった点ははっきりしています。ディフェンスでは背中でチームを鼓舞し、声をかける部分はもっとできたと思うので、自分により厳しくいきたいです」 また、ベンチを温める時期が続いた中、ここ2試合続けて主力として出番を得たことに「ヘッドコーチがチャンスをくれましたが、これは簡単に訪れるものではありません。その中で自分のやるべきことができた達成感はあります」と、一定の手応えは得ている。 だが、「第一にチームは勝っていないです」と、柏倉は結果に真摯に向き合っている。「勝利に結び付くプレーができていないことに全然納得していません。勝ち星をつかむためにはシュートの成功率を上げる、ディフェンスで足を使って相手にプレッシャーをかけるなど、もっとやっていかないといけない」