<ノーベル賞>3年連続で日本人受賞なるか? 日本科学未来館が予想
《生理学・医学賞》 発表は10月3日(月)18時30分~
未来館が「今年ノーベル生理学・医学賞を受賞するにふさわしい」として挙げたテーマと研究者は次の通りだ。 ■アレルギー反応機構の解明(石坂 公成博士/坂口 志文博士) 多くの現代人が悩まされるアレルギーの生じるメカニズムを解明。免疫学の新たな視点を提示し、治療への道を開く。 ■不良品タンパク質の検品機構の解明(森 和俊博士/ピーター・ウォルター博士) 細胞内では常にタンパク質がつくられているが、不良品も生じ、それを放置すれば病気につながりかねない。細胞が備えている巧みな検品の仕組みを解明。 ■遺伝子治療の概念の提唱とその臨床応用(セオドア・フリードマン博士/アラン・フィッシャー博士) 遺伝子の変異がもたらす先天性の難病を、根本から治療する「遺伝子治療」を、幾多の苦難を乗り越え実現。 ・個々の研究の詳細は「生理学・医学賞」の予想記事へ
《物理学賞》 発表は10月4日(火)18時45分~
物理学賞は“傾向”があると言われてきた。物性、宇宙、素粒子の3つのカテゴリーの中から、順番に選ばれているというのだ。選考する側が各分野に配慮を見せているようで、それはそれで興味深い。この傾向どおりに2013年は“素粒子”でヒッグス粒子が、2014年は“物性”で青色発光ダイオードが受賞した。“宇宙の年”だった昨年は「太陽系以外の惑星の発見」を本命視していたが、梶田隆章博士とアーサー・マクドナルド博士のニュートリノ研究が受賞したのは記憶に新しい。 これまでの傾向からすれば、今年は “物性の年”となるはずだが、未来館ではその傾向にこだわらずに「今年の受賞にふさわしいテーマ」を挙げることにした。 ノーベル賞は慣例として、1つの賞では受賞者は3人までとなっている。例外は平和賞で、個人が受賞することもあれば、国境なき医師団などの団体が受賞することもある。同じ年に個人と団体が名を連ねたこともある。 なぜ、この話を始めたかというと、自然科学3賞もそろそろ団体を対象にしても良いのではないかと思うのだ。100年前とは異なり、国際協力チームによるビッグプロジェクトとして研究が行われていることがあるからだ。物理学の宇宙や素粒子はその傾向が特に顕著で、論文では著者の列記だけで1ページ以上になることもある。 未来館の科学コミュニケーターが予想するノーベル物理学賞では、対象者を4人にしたテーマがある。別テーマの「重力波の発見」では、慣例どおりに3人にしたが、「この3人とLIGOチーム」というような形で、予想が外れる日が来ることを期待している。 ■量子テレポーテーションに関する先駆的研究(チャールズ・H・ベネット博士/ジル・ ブラッサール博士/ウィリアム・ウーターズ博士/古澤 明博士) 量子の不思議な性質を利用した「情報の瞬間移動」を予測・実現。圧倒的な処理能力をもつ量子コンピューター開発の足がかりに。 ■アト秒物理学の発展に対する貢献(ポール・コーカム博士/フェレンツ・クラウス博士) 10 億分の1のさらに10 億分の1 秒(アト秒)の世界を「見る」技術を確立。化学反応の電子レベルでの理解や制御に期待。 ■重力波の発見に対する貢献(レイナー・ワイス博士/キップ・ソーン博士/ロナルド・ドリーバー博士) アインシュタイン100 年の宿題といわれた重力波をついに検出。まったく新しい天文学「重力波天文学」が誕生。 ・個々の研究の詳細は「物理学賞」の予想記事へ