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首都「ロックダウン」で何が起こるか 合理性なき封鎖、日本ならば経済との両立可能

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デイリー新潮

封鎖に合理性はない

 だが、ひと口にロックダウンといってもさまざまである。イタリアのように全土を封鎖し、食料品の買い出しさえ週に1度に制限されている例もあるが、日本の法律ではそこまで強制できない。以下、ロサンゼルスで貿易業を営む日本人の話は、東京で行われた場合に近いのかもしれない。 「飲食店は原則クローズで、“デリバリーはやっています”という垂れ幕が下がっている店もありますが、店内では食べられません。スーパーの前には行列ができていて、入れる人数を制限していますし、銀行でも人と人との間を“6フィート(約180センチ)開けてください”と言われます」  なかには、3月末に外出禁止令が出されたモスクワのように、駐在員が、 「ロシアはソ連崩壊後の1990年代には物資が不足していたし、その後リーマンショックのほか、2014年にはクリミア併合で経済制裁を受け、物資がない時代をみな知っている」  と言うほど、慣れっこになっている都市もあるようだ。それはともかく、それを東京で行えば、わずかの間に数兆円規模の損失が積み上げられていくというのだから、恐ろしい。  仮に東京のロックダウンが避けられないとして、注意すべき点を指摘するのは、国際医療福祉大学の和田耕治教授である。 「緊急事態宣言とは、市民が大きく行動を変えるのを期待して出されるものです。人々の行動は自粛方向に変わりはじめていて、すでに結構できているところがありますが、患者が増え、さらに対応が必要なときに緊急事態宣言が有効になります。急いだほうがいいという意見もあるのでしょうが、何度も出せないので、タイミングが大事。もう一つ大事なのは、宣言が出された状況を人々が想定できること。小池都知事が不要不急の外出の自粛を要請したとき、みな買い出しに出かけましたが、買い物もしてはいけないという誤ったイメージが先行したからです」  そうは言いつつ、和田教授はこう続ける。 「私は、日本人はある程度期待通りに動いてくれると信じています。欧米のような強制型でなくても、感染者数をある程度下げられるのではないか、という期待をもっています」  それはすなわち、日本では、経済を稼働させながらコロナウイルス対策を行いうる、ということではないだろうか。国際政治学者の立場からロックダウンの是非を論じるのは、三浦瑠麗さんである。 「なぜロックダウンを行うのでしょうか。各国では二つの理由があります。一つは、自粛要請しても従わない事例が多いから。日本では要請しただけでかなりの人が自粛し、ある程度感染を遅らせる効果が得られます。もう一つは、ある町にウイルスが蔓延して、外には広がっていないと考えられる場合、その町を犠牲にしてでもほかへの感染拡大を防ぐという理由です。しかし日本を見ると、東京以外にも感染は広がっていますし、東京は政治と経済の中心ですから、犠牲にするような場所ではない。法治国家である以上、ロックダウンなど、そもそも日本の法律上は不可能ですが、感染症予防の観点からも合理性がありません」

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