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今、あえて推したい!1000円台からの“強くて安い”エントリークラス有線イヤホン3選

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■TWS時代にあえて推せる有線エントリーイヤホン 5,000円を切る価格に十分な実用性能を兼ね備えた完全ワイヤレスイヤホンも登場してきた昨今。同じくUnder5,000な価格帯、エントリークラスの有線イヤホンの立場は難しいものとなってきている。 もちろん「同じ価格帯なら有線の方が音がいいよ!」という反論はあるだろう。しかしエントリークラスを検討する潜在ユーザーの多くは、音質に多大なこだわりを持っているマニアではない一般層だ。そこに向けての売りとして、この価格帯の範疇での音の良し悪しというのはわかりにくく響きにくい。 だが見回してみると、この価格帯にも、ただ単純に「音がよい」というだけではない、一般ユーザーにもわかりやすく響きやすそうなコンセプトを打ち出したモデルが存在する。 というわけで今回紹介するのはこいつら! スマホでストリーミングに強い!AZLA「AZEL」 ピエール中野が強い!Hi-Unit「HSE-A1000PN」 ダミヘに強い!final「E500」 こんな明快なキャッチフレーズをぱっと用意できるのは、どのモデルも狙いや売りがはっきりしているからこそ。これなら、一般のイヤホンユーザーにも「もしかして自分の使い方や好みに合うモデルかも?だったら完全ワイヤレスじゃないイヤホンをあえて選ぶのもありかも?」と思ってもらえる!気がする! ではそれぞれのポイントをより詳しくより具体的にプッシュしていこう。 ▼ストリーミング&ゲームに強い!AZLA「AZEL」 まず紹介するのは、AZLA「AZEL」。ちょうど実売税込5,000円ほどのお値段にして、ケーブルやイヤーピースにまで抜かりなし!という完成度の高いイヤホンなのだが、こちらの普通ではない最大のセールスポイントはサウンド。 開発者の言葉をまとめると、 「ストリーミング環境やモバイルゲームなど、マルチメディアコンテンツを高音質に、スマホなどライトな環境でもしっかりとした音で再生できるイヤホンとして開発」 というのがそのサウンドの狙いだ。 では、ストリーミングやモバイルゲーム、スマホなどライトな再生環境に最適化したサウンドとは、具体的にはどのようなものなのか? 音楽のサブスク配信やYouTubeなどのネット動画コンテンツの音声は、データ量を少なくするために圧縮処理が行われている。その圧縮の処理による音質への悪影響としていちばん出やすいのは、高域から超高域の損失だ。 そこでAZELはその高域の損失をイヤホンの側でいい感じに補うような音作りを採用。独自に調整した「フィボナッチフィルター」で高音域の自然な存在感を高めてある。 そしてもうひとつのポイントは、スマホ側の再生能力の弱さへの対応だ。音にもこだわっているプレミアムクラスのスマホ等であれば話は別だが、普通のスマホのイヤホン出力、あるいは付属品レベルのUSB-C/Lightning to 3.5mmイヤホン出力変換ケーブルのオーディオ的なクオリティは必要最小限程度。 特にオーディオの世界で「アンプの駆動力」みたいな表現をされている要素は不足しがちで、結果、イヤホン側の特に低音のポテンシャルを引き出しきれないことが多い。低音のボリューム感が出なかったり、ボリューム感は出ても力強さが不足したり…。 そこでAZELは、アンプの力が不足気味でも豊かな低音を出せるような音作り、アンプへの負担が少ない設計を採用。たとえるなら「スピードが出しやすいのに軽く漕げる自転車」みたいな、乗り手=スマホに優しいイヤホンに仕上げられているというわけ。 実際、AZELを上記の変換ケーブル経由でiPhone Xと組み合わせてサブスクストリーミングを聴いてみると、シンバルなど高音の描写はシャープ!とまでは言わないが、ぼやけないクリアさを確保したものになるし、ベースやバスドラムのボリューム感はたっぷりと余裕がある。 低音については「ボリュームありすぎ!」と感じる方もいらっしゃるかもしれない。そんなときは一段階だけ小さなイヤーピースを試してみてほしい。すると低音が適度に抜けてちょうどいい感じになる場合もあるのだ。 しかし、イヤーピースがS/M/Lの3サイズしか付属しないイヤホンでサイズを小さくすると、低音が抜けすぎたり遮音性が下がってしまったりしがち。でもAZELにはSS/S/MS/M/ML/ Lの6サイズも付属しているので、そういうことにもなりにくい。 ▼ピエール中野が強い!Hi-Unit「HSE-A1000PN」 続いてHi-Unit「HSE-A1000PN」を紹介しよう。価格は税込1,700円。これが今回ピックアップした中では最も異色!しかしイヤホンとして一般論的に見ると、実はこれが普通、というかこれぞ王道!な製品だったりもする。 というのも、この製品の最大最強のセールスポイントである、凛として時雨・ピエール中野氏によるサウンドチューニングが「いい音ってこういうのでしょ?」と言わんばかりの、特殊な狙いなどはない正統派サウンドなのだ。 有線ピヤホンは「王道正統派サウンド」と「ピ様」が強い! この音にはもちろん中野氏の個人的な好みも反映されているというのだが、ならばその中野氏のオーディオ的な好みが正統派ということだろう。 低域・中域・高域のバランスはほぼフラット。完全にフラットではなく「ほぼフラット」というのは、低域から中域にベースラインのドライブ感やドラムスの太さなどを絶妙にプッシュするアクセントがあること、高域から超高域は無理に伸ばさず素直にまとめて、耳に強く刺さったり当たったりする感触を抑えてあること。そこはおそらく意図的に、特性的にではなく聴感におけるフラットさを重視している音作りと感じられるからだ。 その音作りのおかげで、楽曲の演奏や録音などの狙いは崩れることなく届いてくるし、バスドラムやベースの低音による大きなリズムから、ギターのカッティングやシンバルによる細かなリズムまで、聴き取りやすさと聴き疲れなさを兼ね備えて刻まれてくる。バンドスタイルだろうがエレクトリックスタイルだろうが、そのリズムのニュアンスを正しく伝えてきてくれるのは嬉しい。 そしてボーカルの滑らかさも心地よいので、男女問わず声重視・歌重視の曲や聴き方にもフィット。総じてどんなジャンル、どんなサウンドの曲を聴いてもハマる!得手不得手のないサウンドに仕上げられているというわけだ。まさに王道正統派! しかし王道正統派サウンドというのは、この超エントリークラスな価格帯を検討する一般ユーザーに向けてのわかりやすい派手なセールスポイントにはなりにくいのが現実。 だがしかし!このモデルは「ピエール中野チューニングによる」王道正統派サウンド!王道正統派サウンドに欠けているアピール力をピエール中野さんの知名度&信頼度が補うこのコンビネーション!この有線ピヤホンは「いい音ってこういうのでしょ?」を、より多くの音楽ファンにバンバン伝えてくれるアイテムなのだ。 ▼ダミヘに強い!final「E500」 最後に紹介するfinal「E500」は、ぱっと見ごく普通のイヤホンだ。形はコンパクトな円筒で誰の耳にもフィットしやすいし、小型軽量さのおかげで、使わないときにも邪魔になりにくい。お値段も実にお手頃な税込2,000円程度。 一見したところでは、普通に出来の良いエントリーイヤホンとしか思えない。では、ここで紹介したい “普通ではないセールスポイント” はどこにあるのかというと、「バイノーラル音源の再生をターゲットとしたサウンド」である。 …と言われても「バイノーラル音源って何?知らない言葉だしわたしには関係なくない?」と思う方もいらっしゃるかもしれない。しかし! 「バイノーラル音源ってざっくり言えばダミーヘッド録音された音源のことだよ」 と言われたら「ダミヘ……だと!」と食いついてくる方もいらっしゃるのではないだろうか。 ここではバイノーラル云々の詳しい説明は省くが、雰囲気重視の簡単な説明としては…… あなたの分身となるダミーヘッドがその耳の奥のマイク=ダミー鼓膜で捉えたその場の音や耳元で囁かれる台詞をイヤホンであなたのリアル鼓膜に流し込む!すると音が左右から聞こえるステレオ音場を超え、左右上下前後遠近などまでもをより明瞭に感じられる立体音響「音のバーチャルリアリティ」が実現されるのだ! すげえ!! ていうか、シチュエーションドラマCDとかで使われてるアレです、アレ。耳元でイケボが!無理‥…もう無理……なアレです。 このバイノーラル音源、一般的なイヤホンで聴くと高音域に独特の違和感が生じるという。そこでfinalはその解消のために研究を開始!その成果を投入し、バイノーラル音源制作者の意図により近い音色や空間、方向感の再現を実現するサウンドに仕上げられたのがE500なのだ。 そして現在!世はダミヘ音源に溢れている! 例えば、ダミヘ録音な「ASMR音源」とかをYouTubeにアップしてくれる声優さん(例:小岩井ことりofficialチャンネル)やYouTuberさんも増えてきている!また、AbemaTVの夜帯番組「声優と夜あそび」にはダミーヘッドマイクが常駐しており、それを活用したコーナーもある! さらに、インターネットラジオステーション「音泉」には、こんな明らかに危険が危なそうな番組名も見かけられてしまう!「ネットという無数の声雄が割拠する世界から、最新最強の武器バイノーラルマイクを駆使し、ファンのみんなに癒しと感動を与える声優を、とにかく!全力を尽くして熱く応援するラジオ、略してNTRじ!……略してもやはり危険が危ない」 世にこれだけのダミヘ音源が溢れているからこそ、「バイノーラル音源再生最適化イヤホン」なんて極端な特化型アイテムも成立するのだ!2,000円くらいの出費は、世に溢れるダミヘ音源ダミヘ配信を聴きまくり堪能しまくればすぐに元が取れる! 例えばこちら、声優で〇〇で〇〇としても活躍する声優の小岩井ことりさん(〇〇に当てはまる能力が多すぎるので各自適当にはめ込んでください)のYouTubeチャンネルからこちら。 ◎【声優ASMR】おやすみトーク60分【ダミーヘッドマイク】 ……なにこのイキリ……息リ音源!気配が……気配感が!これぞダミヘ!な耳元ささやきが60分続くヤバい音源だ。どんなイヤホンで聴いてもヤバさは伝わるかとは思うが、E500で聴くと小岩井さんがお声や息を柔らかくしていることがより分かりやすく、またそうして音の感触を柔らかくしても距離や方向の明瞭さは落とさないという絶妙さに!これが「えっちなイヤホン by 小岩井ことり」の力か! 音楽でのダミヘ音源としては、悠木碧さんのアルバム「トコワカノクニ」がおすすめだ。 ◎悠木碧「レゼトワール」Music Video (short ver.) 悠木碧さんの声だけを折り重ねて作り上げられた作品という時点で稀有だが、さらには「まず5.1chサラウンドにミックスした音源をサラウンドスピーカーで再生し、それをダミーヘッドマイクで録音したバイノーラル音源」だったりもするから恐ろしい。 こちらは先ほどの小岩井ことりさんのトーク音源とは異なり、悠木碧さんの声が「あちこちから同時に聴こえる」のがポイント。その配置の面白さを味わった上で、「E500ならこの曲のバイノーラルポテンシャルがさらに引き出される!」と想像してみていただければと思う。 ■強くてお手頃!有線エントリーに再注目の価値あり! それぞれのイヤホンが、それぞれの狙った勝負所で実に「強い!」モデルであることをお分かりいただけただろうか。 そして当然のところを再確認しておくと、いずれも有線のエントリークラス製品であり、最安価格帯の完全ワイヤレスイヤホンと比べても、同等から同等未満なお手頃価格だ。 強くて安い!有線エントリークラスイヤホンにはまだまだ見るべき製品がある! ◇◇◇ 高橋敦 TAKAHASHI,Atsushi 趣味も仕事も文章作成。仕事としての文章作成はオーディオ関連が主。他の趣味は読書、音楽鑑賞、アニメ鑑賞、映画鑑賞、エレクトリック・ギターの演奏と整備、猫の溺愛など。趣味を仕事に生かし仕事を趣味に生かして日々活動中。

高橋 敦

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