低出生体重児の発育 マイペースに記録を 福島県が4月から冊子配布
福島県は4月から、1500グラム未満で生まれた低出生体重児の成長を記録する冊子「ふくしまリトルベビーハンドブック」の配布を始める。月齢にかかわらず一人一人のペースに合わせて発育を記録でき、経験者のメッセージを掲載することで育児不安の解消につなげる。導入は東北で初めて。 冊子はA6判71ページで、母子健康手帳のサブブックとして使用する。母子健康手帳は体重を記録するグラフの目盛りが1キロや2キロから始まり、1キロに満たない低出生体重児は目盛りを書き足すなど工夫が必要だったが、冊子はグラフの目盛りをゼロからとした。 「首が据わる」などの動作ができるようになった記録は、母子健康手帳では月齢ごとに「はい」「いいえ」に丸を付けるが、他の子どもと比べて不安を感じることのないよう、できた日付を書き込む形式にした。不安や孤独感を軽減するため、「先輩」の母親や低出生体重児として生まれた人からの応援メッセージを紹介した。
白河市で低出生体重児を育てる女性(40)は「同じ思いの人が多いと分かり、安心できる」と歓迎する。低出生体重児の親でつくる同市のサークル「Nっ子ちゃん」が製作に携わり、代表の鈴木頼子さん(51)は「母親の気持ちに寄り添うツールになる」と期待を寄せる。 県子育て支援課によると、県内では年間約100人の低出生体重児が生まれている。冊子は約300部発行し、新生児集中治療室(NICU)がある医療機関や各市町村で配布する。希望すれば2500グラム以下の子どもを育てる親も受け取ることができる。問い合わせは同課へ。