センバツ出場を喜ぶ鳴門の選手たち＝徳島県鳴門市で２０２２年１月２８日午後４時１７分、滝川大貴撮影

　＜センバツ２０２２＞ 　第９４回選抜高校野球大会（毎日新聞社、日本高校野球連盟主催、朝日新聞社後援、阪神甲子園球場特別協力）の選考委員会が２８日開かれ、鳴門（横田恵理子校長）の９年ぶり９回目の出場が決まった。２０２１年の秋季四国地区大会で準優勝した実績などが評価された。創部１１１年を迎える伝統校の躍進が期待される。組み合わせ抽選会は３月４日。大会は兵庫県西宮市の阪神甲子園球場で同１８日に開幕する。 　吉報が届いたのは、午後３時４０分ごろ。選考委員会のライブ配信を見ながら校長室で待機していた横田校長は、大会本部からの電話に「ありがたくお受け致します」と答えた。その後、グラウンドに移動し、集合した選手たちに報告。「あなたたちは鳴門高校の誇りです。監督やコーチ、保護者や地元の方など、支えてくれる方への感謝の心を持ち、甲子園の舞台でしっかり戦ってきてほしい。本当におめでとう」と祝った。三浦鉄昇主将（２年）は「大会までの期間、県代表、四国代表として恥ずかしくない戦いができるよう、しっかりと準備していきたいと思います」と述べた。 　一足早い春の知らせに、マネジャーの乾笑花（えみか）さん（１年）は「朝から夜まで練習を頑張っているのを知っていたのでうれしい。みんなが甲子園に立つ姿を想像するとわくわくする」と笑顔を見せた。三浦主将の母玲奈さん（４３）も「出場が決まってうれしい」と声を弾ませ、「甲子園は目標であり通過点。浮かれすぎないよう気を引き締めてほしい」と話した。 　また、毎日新聞は２８日、出場決定を伝える特別号外を発行し、１０００部を学校に託した。【国本ようこ、岩本桜】 　◇１４２キロ　注目の左腕エース 　「折れない気持ちが最後の自信につながる」。森脇稔監督が日ごろから選手に伝える思いだ。２１年秋の県大会では準決勝まで全てコールド勝ちで、決勝の徳島商戦も１６安打の猛攻で圧勝。全試合通じて失策ゼロと、攻守ともにバランスの取れた強さを見せた。２年連続で出場した秋季四国地区大会では準決勝で高知の強豪・明徳義塾を延長十一回で降し、準優勝に輝いた。 　チーム打率は３割２分４厘。８打点を挙げた４番・前田一輝選手（２年）、計８安打を放った５番・藤中温人選手（２年）、計１０安打で打率４割超えの６番・土肥憲将選手（２年）と強打者がそろう。 　投手陣は１４２キロの直球とチェンジアップなど３種の変化球を巧みに交える左腕エース、冨田遼弥投手（２年）が引っ張る。キレのある球が特長の藤原颯太投手（１年）、直球とスライダーが身上の前田選手も控える。森脇監督は「冬の間に走り込みや筋力トレーニングなどでしっかり体を作り、心の体力もつけたい」と話す。 　２１年夏の甲子園徳島大会は、シード校ながら初戦の２回戦で敗退した。三浦主将は「悔しさを晴らすためチーム一丸となって頑張ってきた。楽しく全力で挑みたい」と意気込んだ。