「悔しさ忘れず」 園バス3歳児置き去り死から2年、父親が心境語る
静岡県牧之原市の認定こども園「川崎幼稚園」で2022年9月、園児の河本千奈ちゃん(当時3)が通園バスの車内に取り残され、熱射病で死亡した事件から5日で2年になる。これを前に千奈ちゃんの父親(40)が8月31日、オンラインによる報道各社の取材に応じ、「悔しい気持ちは深い部分に残り、忘れることはできない」と心境を語った。 同日午前11時から千奈ちゃんの三回忌の法要が営まれた。僧侶の読経のなか、父親自身や親族が涙を流す場面もあったという。「2年前の生活を取り戻すよう頑張ってきたけれど、悔しい気持ちを忘れることはできないと改めて感じた」と思いを語る。一緒に遊んだ公園の近くや、食事、入浴の際に千奈ちゃんを思い出し、感情を抑えきれなくなることもあるという。 事件をめぐっては、静岡地裁が7月、安全管理を怠ったなどして業務上過失致死罪に問われた前理事長兼園長(75)に禁錮1年4カ月の実刑、元クラス担任(49)に禁錮1年(執行猶予3年)の判決を言い渡し、いずれも確定している。 刑事裁判が一区切りつき、父親は園側や関係者を相手取って損害賠償を求める民事訴訟の準備を進めていることを明らかにした。引き続き廃園を求める活動をしていく考えも強調した。 また、SNSの動画投稿サイトなどで父親や千奈ちゃんを誹謗(ひぼう)中傷する内容の投稿が複数あることから、一部の投稿者に対して、すでに法的手続きに入っているという。(本間久志)
朝日新聞社