エリンギは不足しがちな栄養の宝庫!食べるべき理由やレシピを大公開
当記事の執筆は、管理栄養士 前間弘美が担当しました。 味や香りにクセがなく炒め物やパスタ、焼肉など色々な場面で活躍するエリンギ。 【画像】エリンギは不足しがちな栄養の宝庫!食べるべき理由やレシピを大公開 エリンギはヨーロッパ原産のきのこです。日本では自生しないきのこで、1990年代に人工栽培を始めたのち販売されるようになりました。コリコリとした食感があわびに似ているので、「白あわびたけ」と呼ばれることもあるそうです。 まだ日本では歴史の浅いエリンギですが、手ごろな値段と使いやすさから食卓に並ぶ機会は多いかと思います。 そこで今回はエリンギの栄養成分や効能について詳しく解説いたします。 効能を活かしたレシピもご紹介しますので、ぜひ最後までご覧ください。
エリンギの栄養成分と効能
エリンギは低カロリーで健康的なイメージですが、具体的な栄養素についてはよくわからない方も多いのではないでしょうか。 じつは、エリンギの栄養は日常生活で不足しがちだったり、ライフステージによってはより多くとる必要があったりする栄養が豊富なのです。 ここからは、エリンギの栄養成分と効能について解説していきます。 ●骨や歯を丈夫にするビタミンD ビタミンDは骨や歯の発育を助ける栄養素です。 なぜならビタミンDは、骨づくりに欠かせないカルシウムの吸収を促進する働きがあるからです。私たちの体の中のカルシウムが不足すると骨がもろくなり、痛みを感じるようになることもあります。 ビタミンDはカルシウムと共に、丈夫な骨と歯をつくるために欠かせないので積極的に摂りたいですね。 ちなみにビタミンDは脂溶性ビタミンといって、油と一緒に食べると吸収力がアップします。ビタミンDを摂りたい時は、エリンギを油で炒めたり、揚げ物にすると良いですよ。 ●食物繊維で腸内をスッキリ 食物繊維には水に溶けにくい不溶性食物繊維と、水に溶けやすい水溶性食物繊維に分けられます。 エリンギは両方の食物繊維が含まれ、不溶性食物繊維の方が多いです。不溶性食物繊維の働きは水分を吸収して便のカサを増やすことです。さらに、カサの増えた便が腸を刺激して排便を促します。つまり、不溶性食物繊維はスムーズな排便を促して、便秘を解消してくれるのです。 なお、水溶性食物繊維は水と合わさるとゼリー状になります。ゼリー状になった水溶性食物繊維は、栄養素の吸収速度を緩やかにするので、血糖値の急上昇を抑えます。 ●葉酸は妊婦さんや成長期の子供にオススメ 葉酸は「造血のビタミン」と呼ばれ、赤血球づくりの手助けをする栄養素です。また、DNAの合成を促し細胞の生産を助けるので、体の発育にも重要といえます。 さらに葉酸は胎児の先天性異常のリスクを減らすため、妊婦さんや妊娠を計画している女性が積極的に取ると良い栄養素でもあります。 ちなみにエリンギ100gに含まれる葉酸は65gで、きのこの中では多い方です。 大人が通常の食事で葉酸が不足することはほとんどありませんが、成長期の子供はたくさんの葉酸を必要とします。葉酸が不足すると貧血になる可能性もあるので、意識して食事に取り入れると良いですね。 ●カリウムでむくみ&高血圧予防 カリウムは私たちの体の中において、ナトリウム(塩分)と共に水分のバランスを保つ栄養素です。 カリウムは尿中へ塩分の排出を促すので、むくみを解消したり血圧を下げたりする働きがあります。味の濃い食事などによって塩分を摂り過ぎた場合は、カリウムを多く含む食材を積極的に摂ると良いでしょう。 エリンギには、カリウムが比較的多く含まれます。血圧が気になる方は、エリンギを日々の食事に取り入れることをオススメいたします。