越乃リュウ「天才演出家・小池修一郎先生と『グレート・ギャツビー』の思い出。青いベストを脱げと言われたことも懐かしい」
圧倒的なオーラを放つトップスターの存在、一糸乱れぬダンスや歌唱、壮大なスケールの舞台装置や豪華な衣裳でファンを魅了してやまない宝塚歌劇団。初の公演が大正3年(1914年)、今年で107年の歴史を持ちながら常に進化し続ける「タカラヅカ」には「花・月・雪・星・宙」5つの組が存在します。そのなかで各組の生徒たちをまとめ、引っ張っていく存在が「組長」。史上最年少で月組の組長を務めた越乃リュウさんが、宝塚時代の思い出や学び、日常を綴ります。第21回は「演出家小池修一郎先生と〈グレート・ギャツビー〉」のお話です。 (写真提供◎越乃さん 以下すべて) 【写真】ファンの方が描いた越乃さんのマイヤー・ウルフシェイム * * * * * * * ◆『グレート・ギャツビー』が再演されます! ギャツビーが再演される。 嬉しいニュースが飛び込んできました。 ミュージカル『グレート・ギャツビー』 アメリカの作家F・スコット・フィッツジェラルドの小説で、 アメリカ文学を代表する作品の一つです。 1992年のニューヨーク郊外、ロングアイランド。 広大な邸宅を構える謎の資産家、ジェイ・ギャツビーは、禁酒法に違反する盛大なパーティーを頻繁に催し、上流階級の話題や世間の注目を集めていた。 ミネソタ州からギャツビー邸の隣家に引っ越してきた証券会社勤務のニック・キャラウェイは、パーティーの様子を垣間見て、その大胆さに驚かされる。 翌朝、ギャツビーと対面したニックは、庭続きの入り江から対岸のイースト・エッグを見つめる彼から、その先に「永遠の恋人」が住んでいることを聞く。 (パンフレットのあらすじより) 2008年に私はこの作品に出演しました。 その時のギャツビーは瀬奈じゅんさんでした。 白いスーツ姿で対岸を見つめる後ろ姿。 永遠の恋人デイジーに向けた切なくて美しい純愛。 哀愁を漂わせる瀬奈じゅんさんの白いスーツの後ろ姿を、今でもはっきりと覚えています。 この作品は、男役の美学が詰まった宝塚のためにあるような作品でした。
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