「Re:ゼロから始める異世界生活」スバルからエミリアへの渾身の告白は「レムから受け取ったバトン」小林裕介の込めた思いと熱量
いよいよ最終回が近づいてきた人気アニメ「Re:ゼロから始める異世界生活」(以下、リゼロ)の2nd season。多くのキャラクターたちが抱えてきた悲しい過去が次々と明らかになり、謎となっていた部分も解明。それぞれが信じる正しさのすれ違い、対立にも決着が訪れ、いよいよクライマックスとなっている。そんな後半クールにおいて、主人公のナツキ・スバルとヒロインのエミリアにおいては、この2nd season一番の注目と言えるスバル“ダメ押し”の告白と2人のキスシーンが描かれた。苦しさと寂しさに悩み続けるエミリアの心の氷を溶かしたスバルの熱い思いを、声優・小林裕介はどんな思いで演じたのか。最終回を直前に控えた心境とともに聞いた。
2nd seasonの前半クールでは、スバルがこの世界で繰り返してきた過去、また現実世界の両親についてなどが描かれた。一方、後半クールではオットー、ガーフィール、ロズワール、そしてエミリアの過去も描かれた。小林がこの過去を見て思ったのは「エミリアはすごく愛されて育ったんだなということ」だ。いままでエミリアは嫉妬の魔女・サテラにそっくりの風貌から蔑まれ、追いやられて生きてきた。辛い場面ばかりだっただけに「愛された過去があったんだなと、すごくうれしく思いましたし、それを失うことの大きさや、ましてや自分の決断で最終的にみんなを凍らせてしまった、あの小さい体には大きすぎる宿命を背負わされたなと思いました」と、少女エミリア(44話=エリオール大森林の永久凍土)によって起こされた事態に思いをめぐらせた。
単に同情しただけではない。叔母であり母親代わりであったフォルトナとの約束を最後まで守れた自分を誇り、悲しい過去を見てもなお前を向こうと決断する姿には感動もした。「スバルは何度も失敗を繰り返して、ようやく答えにたどり着いています。それに対してエミリアは、言ってしまえば1つの時間軸で決断ができている。スバル以上に強い心を持っているんだと感じました」と振り返った。 エミリアは脆く崩れ、取り乱すといった危うさも兼ね備えている。2nd season前半クールにあたる36話「死の味」では、完全に心が壊れ、ボロボロのスバルを見ても笑いかけ、愛情表現するという通称「病みリア」になるシーンもあった。ただ、小林はこの危うさに惹かれている。「僕はエミリアの危うさが一番いいなと思っているんです。見た目に反して抜けているし、足りないところもあるし、感情的だし、人をすぐ信じちゃうところもあるし。だから守ってあげなきゃって。きっとスバルもそう思っているんだと思います」と、騎士として守ることを志すスバルと、心がシンクロしているようだ。