能見のオリックス移籍はホンマにうれしいよ。菅野の去就はセ界全体に影響力がある【岡田彰布のそらそうよ】
ガンバレ能見!!お見事、新庄!
最初にうれしいニュースを。能見(能見篤史)がオリックスに移籍することが決まった。それもコーチ兼任ということで。能見と言えばオレが阪神の監督のときに入団してきた投手で、2005年のリーグ優勝を経験した数少ない生き残り戦士である。それだけに、気になっていた。前々からオリックス入りか……と聞いていたが、ホンマ、それが実現してよかった。 岡田彰布【前編】80年代の阪神主力で貴重だった生粋の大阪人/プロ野球1980年代の名選手 藤川球児は引退したけど、鳥谷(鳥谷敬)がロッテ、そして能見がオリックス。2人の新天地での活躍を大いに期待している。オレも阪神を戦力外になり、この先、どうなるのかと迷っていたとき、声を掛けてくれたのがオリックス監督の仰木(仰木彬)さんやった。そこでいろいろなことを経験し、指導者への道に導いてもらった。仰木さんにはホンマ、感謝しかない。能見も阪神からオリックスと、オレと同じような道をたどるのだが、コーチ兼任であっても、投手・能見の可能性はまだまだ十分にある。 オリックスはセットアッパーとして起用を考えているようだが、能見の適性は先発では、と思っている。長い経験を基に、先発して5回、6回なら十分に試合を作れる力はある。以前、能見と話したとき「これからは変化球の使い方が重要になるぞ」とアドバイスしたが、うまく使い分けができれば、先発で通用するはず。体型は変わらず、大きな故障もない。とにかくパ・リーグでもうひと花を……。ガンバレ能見!! エールを送りたい。 そんな球界、ほかにも多くの話題がある。まずトライアウトに参加した新庄(新庄剛志)のことだ。いくつになっても世間を驚かせるところは昔のままである。オレが阪神での現役最後のころ、新庄が一線に躍り出てきた。年が相当離れていたし、ほとんど会話したことはない。それでも二軍時代から球団関係者に「とんでもない若手がいる」と聞いていた。実際に練習を見ていると、身体能力はハンパなかった。守る、投げる、走るの能力は図抜けていた。ただし、この時点ではバッティングは「?」だったけど、とにかく将来性にあふれた男やったわ。 亀山(亀山努)との亀新コンビで売り出し、その後はメジャーに。帰国後日本ハムで優勝し電撃引退。そして、すっかり忘れていたときに今回のトライアウトよ。結果はともかく、挑戦する姿は尊いし、お見事と言うしかない。獲得する球団はないだろう……とされているが、このチャレンジの意味するところは大きい。